マルチキナーゼ阻害剤のE7080が、カルボプラチン、パクリタキセルとの併用で、進行非小細胞肺癌(NSCLC)に有効である可能性が明らかとなった。日本人NSCLC患者を対象に実施したフェーズ1試験で示されたもの。成果は7月3日から7日にオランダ・アムステルダムで開催されている第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、国立がん研究センター中央病院の軒原浩氏によって発表された。

 E7080を単剤で進行固形癌に投与するフェーズ1試験は既に終了しており、安全性は管理可能で抗腫瘍効果も認められている。

 実施されたフェーズ1試験は、化学療法未治療の進行NSCLC患者を対象にしたもので、3週間を1サイクルとし、カルボプラチンは1日目にAUC6mg/mL/min、パクリタキセルは1日目に200mg/m2投与し、1日2回E7080を用量増多して投与する試験。最初の7日間だけはE7080を単剤で投与してから、3週間おきの併用サイクルに入り、最長で6サイクルまでとした。併用投与が終わったあと、E7080単剤の継続投与は可とされた。E7080の量は1日2回6mgから開始され、用量制限毒性(DLT)が6人中1人以下であれば8mg、3人以上であれば4mgに移行することとした。併用療法の最大耐量(MTD)が決まれば、その用量で22人の患者を追加することとした。

 フェーズ1試験には28人の患者が登録された。年齢中央値は58歳(38-73)、男性が75%、PS0が68%、PS1が32%だった。3B期の患者が29%、4期の患者が71%。組織型は腺癌が82%、扁平上皮癌が7%、その他が11%だった。

 用量増多コホートで、カルボプラチン、パクリタキセルとともにE7080を1日2回6mgの投与を受けた6人中2人で、DLTとしてグレード3の発熱性好中球減少症とグレード3の白血球減少症を伴う感染症が起きた。また、E7080の単剤投与期間中に全身状態の悪化のために1人が試験から離脱した。パクリタキセルとともにE7080を1日2回4mgの投与を受けた6人の患者ではDLTは発現せず、E7080の併用のMTDは1日2回4mgとなった。

 カルボプラチン、パクリタキセルに加えて、1日2回4mgのE7080投与を受けた患者で、多く見られた副作用は血小板減少症(100%)、白血球減少症(95%)、好中球減少症(95%)などだった。多く見られたグレード3/4の副作用は好中球減少症(95%)、白血球減少症(50%)、高血圧(36%)、血小板減少症(27%)、発熱性好中球減少症(23%)だった。

 全28人で奏効率は60.7%、1人が完全奏効、16人が部分奏効となった。無増悪生存期間(PFS)中央値は9.03カ月だった。

 E7080を1日2回4mg投与された22人では、奏効率は68.2%、疾患制御率は90.9%となった。PFS中央値は9.03カ月だった。全生存期間中央値は全体で6.97カ月、4mg群で7.03カ月だった。バイオマーカーの解析から、E7080を1日2回4mgで長いPFSが得られた患者は、ケモカインの1つであるstromal cell-derived factor(SDF)のベースラインの血中レベルが低かった。