腫瘍の増殖と転移に関与する上皮成長因子受容体(EGFR/HER1)とHER2の両方を不可逆的に阻害するafatinib(BIBW2992)が、第一世代のEGFR阻害剤投与で病状が進行した日本人非小細胞肺癌(NSCLC)患者に有効である可能性が明らかとなった。国内で実施されたフェーズ2試験LUX-Lung4の結果示されたもの。成果は7月4日から7日までオランダアムステルダムで開催されている第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、国立病院機構近畿中央胸部疾患センターの安宅信二氏によって発表された。

 LUX-Lung4試験はPS0-1の3B期/4期のNSCLC患者で、1から2ラインの化学療法とエルロチニブまたはゲフィチニブを12週以上投与したにも関わらず画像的に増悪が確認された患者に、afatinibを1日1回50mg投与した。主要評価項目は奏効率だった。

 62人の患者中、77%が女性、69%が喫煙歴なし、47%がPS0、年齢中央値が65歳だった。85%の患者がEGFR変異陽性で、11%の患者がエルロチニブ、79%の患者がゲフィチニブ、10%の患者が両剤の投与を受けた経験があった。以前にゲフィチニブまたはエルロチニブを受けた期間の中央値は58週だった。耐性を獲得したと判定された患者は82%だった。ゲフィチニブ、エルロチニブの投与終了後、期間(中央値3週間)をおいて、afatinibの投与を開始した。

 独立した委員会の判定によると確認部分奏効(PR)は8.2%、疾患制御率は66%だった。研究グループによる判定ではPRが13%、疾患制御率は72%だった。

 無増悪生存期間中央値は4.4カ月(独立した委員会の判定)と4.6カ月(研究グループの判定)、全生存期間(OS)中央値は19.0カ月だった。

 多く見られた副作用は下痢(グレード3が37%)、皮疹/座瘡(グレード3が27%)、口内炎(グレード3が10%)、爪への影響(グレード3が11%)、食欲減少(グレード3が5%)などだった。間質性肺疾患様の副作用が2人の患者で、afatinib投与開始後1カ月で認められた。