非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、ペメトレキセドを用いた維持療法は忍容性があり、QOLを下げることなく長期継続できることが、ペメトレキセドとシスプラチンによる導入療法後に、維持療法としてペメトレキセド+支持療法(BSC)とプラセボ+BSCを比較した無作為化二重盲検フェーズ3試験(PARAMOUNT)で明らかになった。7月3日から7日にオランダ・アムステルダムで開催されている第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、イタリアS. Giuseppe Moscati HospitalのC. Gridelli氏らが発表した。

 PARAMOUNT試験は、非扁平上皮癌のNSCLC患者939人を対象に、導入療法として、ペメトレキセド(500mg/m2)とシスプラチン(75mg/m2)を第1日に3週おきに4回投与した。この治療で完全奏効あるいは部分奏効、病態安定と判定された患者539人に対して、維持療法が行われた。維持療法では、ペメトレキセド(500mg/m2)を第1日に3週間おきに投与してBSCを行う群(ペメトレキセド群、359人)、もしくはプラセボを投与してBSCを行う群(プラセボ群、180人)に患者を2:1に割り付け、病勢進行もしくは重篤な有害事象が認められるまで治療を継続した。いずれの群の患者にも葉酸とビタミンB12が投与された。

 これまでに、ペメトレキセドによる維持療法を行うことで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが報告されている。今回の発表では、維持療法における安全性、抗菌剤や制吐剤などの薬剤の使用状況、QOL評価の結果が報告された。

 この結果、維持療法における安全性プロファイルはペメトレキセド単剤療法の報告と同じであり、新たな有害事象は認められなかった。有害事象による治療の中止率も低かった(ペメトレキセド群は4.7%、プラセボ群は2.8%)。

 主なグレード3/4の有害事象は、貧血がペメトレキセド群は4.5%、プラセボ群は0.6%(p=0.016)、倦怠感はそれぞれ4.2%、0.6%(p=0.016)、好中球減少は3.6%、0%(p=0.006)だった。またグレード3/4/5の好中球減少は10サイクルを超えると8.3%、10サイクル以下では2.2%に認められた(p=0.015)。しかし治療が長期に及んでも感染症が有意に増加することはなかった。

 薬剤の使用状況は、制吐剤の使用率が導入療法では66.7%だが、維持療法では34.7%と少なかった。維持療法の中では、輸血がペメトレキセド群で13.4%、プラセボ群は5%に行われた(p=0.003)。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)または顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子の投与がそれぞれ5.3%、0%(p<0.001)、抗菌剤の使用率は25.3%、16.7%(p=0.028)。また有害事象による入院率がペメトレキセド群で8.4%、プラセボ群で3.3%(p=0.028)。これらのことから、毒性に対する薬剤使用率などは「ペメトレキセド群で高かったが、全体的には低率であった」とした。

 QOLはEuroQoL(EQ-5D)を用いて、治療前と各サイクルの1日目、治療中止後30日に評価された。EQ-5Dは5つの項目(移動、セルフケア、活動、不快、不安)からなる質問票と、健康状態を患者が評価する視覚アナログ尺度(VAS)の2つで構成されている。EQ-5Dの評価は導入療法では79.4%の患者で行われた。維持療法ではペメトレキセド群で84.3%、プラセボ群で80.9%、治療中止30日後はペメトレキセド群で43.9%、プラセボ群で44.3%の患者でEQ-5Dが評価された。

 導入療法で、EQ-5Dのスコアは治療前に比べて臨床的に大きな違いはなかった。維持療法でも、EQ-5DのスコアとVASスコアともに、ペメトレキセド投与による臨床的に顕著な違いは見られなかった。このため、「ペメトレキセド群で毒性が若干増加したが、EQ-5Dの結果から、ペメトレキセドの長期的な維持療法はQOLを大きく下げることなく、忍容性が認められた」とした。