転移を有する大腸癌(mCRC)に対するベバシズマブBeyond PD(BBP、ベバシズマブ投与後の増悪例におけるベバシズマブ継続投与の効果)を評価し、有効性を証明したフェーズ3のTML(ML18147)試験では、ファーストライン治療で行われた化学療法のサブグループ解析が行われた。その結果、ファーストライン治療でオキサリプラチンイリノテカンのどちらが使用されていても、ベバシズマブの継続投与により予後が改善することが示された。9月28日から10月2日までウィーンで開催された第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、フィンランドHelsinki University Central HospitalのPia Osterlund氏が発表した。

 ML18147試験は、mCRCでベバシズマブと標準的な化学療法によるファーストライン治療(オキサリプラチンベースまたはイリノテカンベース)を施行後に増悪を認めた患者に対し、セカンドライン治療でファーストライン治療とは別の化学療法とベバシズマブで治療を行う、BBPを評価した。欧州とサウジアラビアの220施設から計820人が登録され、主要評価項目の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)は、化学療法のみを行う群(化学療法群)と比較して、化学療法との併用でベバシズマブを継続投与する群(ベバシズマブ群)で有意に延長した。

 この試験では、ファーストライン治療の化学療法で用いるオキサリプラチンとイリノテカンの選択は、試験担当医師の判断に任せられた。Osterlund氏らは、ML18147試験の対象について、層別化因子をファーストライン治療におけるオキサリプラチンベースとイリノテカンベースの化学療法とし、セカンドライン治療の転帰としてOS、PFS、奏効率、有害事象についてサブグループ解析を行った。

 対象の820人中、ITT解析対象は819人となった。このうちファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われたのは343人、イリノテカンベースの化学療法が行われたのは476人だった。

 ファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われ、セカンドライン治療で化学療法のみが行われたのは174人(化学療法群:年齢中央値62歳、男性62%)、ベバシズマブと化学療法が併用されたのは169人(ベバシズマブ群:同64歳、66%)だった。ファーストライン治療でイリノテカンベースの化学療法が行われ、セカンドライン治療で化学療法のみが行われたのは236人(化学療法群:63歳、64%)、ベバシズマブと化学療法が併用されたのは240人(ベバシズマブ群:62歳、65%)だった。ベースラインの患者背景は2群間で同様だった。

 PFS中央値は、ファーストライン治療のオキサリプラチン、イリノテカンに関わらず、ベバシズマブ群で有意に延長した。PFS中央値は、ファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われた患者では、化学療法群4.2カ月、ベバシズマブ群6.2カ月、ハザード比は0.68(95%信頼区間:0.55−0.85)だった(p=0.0005)。イリノテカンベースの化学療法が行われた患者では、それぞれ3.8カ月と5.4カ月、ハザード比は0.67(95%信頼区間:0.56−0.81)だった(p<0.0001)。

 OS中央値は、ファーストライン治療でイリノテカンベースの化学療法が行われた患者では、ベバシズマブ群で有意に延長した。一方、オキサリプラチンベースの化学療法が行われた患者では、化学療法群とベバシズマブ群に有意差が示されなかった。

 OS中央値は、ファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われた患者では、化学療法群10.0カ月、ベバシズマブ群12.0カ月、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.62−1.00)だった(p=0.0524)。イリノテカンベースの化学療法が行われた患者では、それぞれ9.3カ月と10.9カ月、ハザード比は0.82(95%信頼区間:0.67−1.00)だった(p=0.0454)。

 セカンドライン治療の奏効率は、化学療法群とベバシズマブ群のいずれも低かった。ファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われた患者では、化学療法群2.9%、ベバシズマブ群5.5%(p=0.2414)、イリノテカンベースの化学療法が行われた患者では、それぞれ4.7%と5.4%(p=0.7145)だった。

 ファーストライン治療のオキサリプラチン、イリノテカンに関わらず、化学療法群とベバシズマブ群の有害事象のプロファイルは類似していた。グレード3以上の有害事象の発現率は、ファーストライン治療でオキサリプラチンベースの化学療法が行われた患者では、化学療法群52%、ベバシズマブ群66%、イリノテカンベースの化学療法が行われた患者ではそれぞれ60%と61%だった。化学療法の違いによるベバシズマブに特徴的な有害事象の発現率は同様であった。