転移を有する大腸癌(mCRC)に対するベバシズマブBeyond PD(BBP、ベバシズマブ投与後の増悪例におけるベバシズマブ継続投与の効果)を評価し、有効性を証明したフェーズ3のTML(ML18147)試験の年齢によるサブグループ解析から、ベバシズマブの継続投与により、65歳未満と65歳以上のどちらの年齢群でも転帰が改善する可能性が示された。9月28日から10月2日までウィーンで開催された第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、フランスHospital Rebert DebreのOlivier Bouche氏が発表した。

 TML(ML18147)試験は、mCRCでベバシズマブと標準的な化学療法(オキサリプラチンベースまたはイリノテカンベース)によるファーストライン治療を施行後に増悪を認めた患者に対し、セカンドライン治療でファーストライン治療とは別の化学療法とベバシズマブで治療を行うBBPを評価した初の無作為化フェーズ3試験。欧州とサウジアラビアの220施設から820人が登録された。ベバシズマブ投与後に初回増悪を認めた患者に対し、ベバシズマブを継続投与する群(ベバシズマブ群)は、化学療法のみを行う群(化学療法群)と比較して、主要評価項目の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。

 高齢者にも忍容性があり、かつ有効な治療選択肢のエビデンスは少ないが、ベバシズマブの有効性に関する情報は、無作為化試験や観察研究のサブグループ解析から得られており、この中には4件の大規模なフェーズ3試験の統合解析による報告も含まれる。

 そのためBouche氏らは、TML(ML18147)試験の対象における年齢別の転帰を評価し、セカンドライン治療によるOS、PFS、奏効率、有害事象について、65歳未満と65歳以上で解析した。

 対象の820人中、ITT解析対象は819人だった。このうち65歳未満は458人で、化学療法群に233人(年齢中央値57歳、男性58%)、べバシズマブ群に225人(同57歳、66%)が割り付けられていた。65歳以上は361人で、化学療法群に177人(同70歳、69%)、ベバシズマブ群に184人(同69歳、65%)が割り付けられていた。

 ベースラインの患者背景は、65歳未満と65歳以上でバランスがとれていた。65歳未満の患者では、化学療法群とベバシズマブ群でともにPS 1の患者が最も多く、それぞれ51%と50%、ファーストライン治療のPFSが9カ月以下だったのは56%と52%、最後のベバシズマブの投与から無作為化までの期間が42日以下だったのはいずれも77%だった。一方、65歳以上の患者では、PS 1の患者の割合はいずれも53%、ファーストライン治療のPFSが9カ月以下だったのはそれぞれ55%と57%、最後のベバシズマブの投与から無作為化までの期間が42日以下だったのはいずれも77%だった。
 
 PFSは、65歳未満、65歳以上のどちらの患者群でもベバシズマブ群で有意に延長していた。PFS中央値は、65歳未満の化学療法群では3.9カ月、ベバシズマブ群では5.9カ月、ハザード比は0.66(95%信頼区間:0.55−0.80)だった(p<0.0001)。65歳以上の化学療法群では4.3カ月、ベバシズマブ群では5.5カ月、ハザード比は0.71(95%信頼区間:0.57‐0.87)だった(p=0.0011)。 

 OSは、65歳未満の患者では有意にベバシズマブ群で延長していたが、65歳以上の患者では有意差は認めなかった。OS中央値は、65歳未満の化学療法群では9.9カ月、ベバシズマブ群では11.6カ月、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.65‐0.98)となった(p=0.0274)。65歳以上の化学療法群では9.8カ月、ベバシズマブ群では10.7カ月、ハザード比は0.83(95%信頼区間:0.66‐1.04)だった(p=0.1056)。
 
 奏効率は65歳未満(化学療法群4.8%、ベバシズマブ群5.4%)、65歳以上(同2.8%、5.5%)の年齢に関わらなかった。

 安全性については、65歳未満と65歳以上の患者群でともに良好な忍容性が示され、全対象の安全性プロファイルと同様だった。グレード3以上の有害事象の発現率は、65歳未満の患者では化学療法群54%、ベバシズマブ群64%、65歳以上の患者ではそれぞれ62%と63%だった。化学療法群と比較して、ベバシズマブ群で多く発現したグレード3以上の有害事象は、65歳未満の患者では静脈血栓(3%対5%)、高血圧(<1%対2%)、出血(<1%対2%)、消化管穿孔(<1%対2%)などだった。65歳以上の患者では、静脈血栓(3%対5%)、出血(0%対2%)、消化管穿孔(<1%対2%)などだった。