KRAS野生型でIII期の結腸癌の術後補助療法として、FOLFOX4にセツキシマブを加えても有用性は示されなかった。国際フェーズ3試験PETACC8の結果から示されたもの。9月28日から10月2日にオーストリアウィーンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、フランスHopital European GeorgesのJ.Taieb氏によって発表された。

 PETACC8試験は、術後28日から56日たったIII期の結腸癌患者に対し、術後補助化学療法として隔週で12サイクルFOLFOX4のみを投与する患者(A群)と、FOLFOX4に加え毎週セツキシマブ(1回目は400mg/m2、2回目以降は250mg/m2)を投与する患者(B群)を比較した。主要評価項目は無病生存期間(DFS)。副次評価項目は全生存期間(OS)、投薬のコンプライアンス、安全性であった。

 1602人のKRAS野生型患者がA群(811人)とB群(791人)に割り付けられた。患者背景に大きな差はなかった。DFSの観察期間中央値はA群が3.30年、B群が3.33年だった。

 試験の結果、DFS においてA群で179イベントが起こり、3年DFS率は78.0%(95%信頼区間:74.8-80.8)、B群では190 イベントが起こり、3年DFS率は75.1%(95%信頼区間:71.7-78.1)、ハザード比は1.047(95%信頼区間:0.853-1.286)、p=0.6562でセツキシマブの上乗せ効果は認められなかった。

 OSについても、A群では85イベントが起こり、3年OS率は90.5%(95%信頼区間:87.9-92.5)、B群では94イベントが起こり、3年OS率は88.3%(95%信頼区間:85.6-90.6)、ハザード比は1.092(95%信頼区間0.813-1.466)、p=0.5583でセツキシマブの上乗せ効果は認められなかった。

 安全性について、少なくとも1件のグレード3/4の副作用が起きたのは、A群で66.2%、B群で80.9%だった。B群で多かったのは、座瘡様皮疹(28.6%)、下痢(15.4%)、粘膜炎(8.0%)だった。

 A群では10サイクル以上FOLFOX4を受けた患者は86.8%、B群では81.5%、80%以上セツキシマブが投与された患者はB群で77.7%だった。70歳以上の患者では投薬中止率はA群の26.4%よりもB群の42.7%が高かった。また、70歳以上、原発巣の部位が右側の女性患者ではセツキシマブが悪い効果を与えている可能性が示唆された。

 当初から予定されていた中間サブグループ解析の結果、KRAS/BRAF WT患者984人を対象にした解析でも両群に差はなかった。DFSではA群で108イベント、B群では115イベントが起こり、ハザード比は0.985(95%信頼区間:0.755-1.284)、p=0.9117でセツキシマブの上乗せ効果は認められなかった。KRAS野生型のDFSにおけるサブグループ解析の結果、性別、年齢、原発巣の部位の、いずれのグループでも有意な上乗せ効果はなかった。

 OSについても、A群では52イベント、B群では55イベントが起こり、ハザード比は0.981(95%信頼区間:0.669-1.438)、p=0.9236でセツキシマブの上乗せ効果は認められなかった。

 ただし、症例数は少ないが、KRAS野生型で病期pT4N2の患者に限るとセツキシマブの上乗せ効果が認められた。DFS において、A群は67人中41イベントが起こり、B群では79人中32イベントが認められ、ハザード比は0.555(95%信頼区間:0.348-0.885)、p=0.0122であった。