転移性腎細胞癌に対するスニチニブ投与の効果を評価した臨床試験の統合解析から、高血圧手足皮膚症候群、無力感や倦怠感は、スニチニブの効果に関与する独立したon-treatmentマーカーであることが示された。9月28日からウィーンで開催された第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、デンマークAarhus University HospitalのF Donskov氏が発表した。

 これまでの検討で、スニチニブの効果に関連するバイオマーカーとなりうる治療関連有害事象として、高血圧、好中球減少、無力感/倦怠感、手足皮膚症候群、血小板減少が見いだされている。

 具体的には、スニチニブ投与により発生した高血圧が見られた場合の全生存期間(OS)は30.9カ月で、見られなかった場合の7.2カ月に対して有意に延長していることが示されている。また、手足皮膚症候群が見られた場合のOSは38.2カ月(見られなかった場合は18.9カ月)、グレード2以上の骨髄抑制が見られた場合のOSは35.6カ月(グレード2未満の場合15.8カ月)、無力感/倦怠感が見られた場合のOSは26.2カ月(見られなかった場合は15.0カ月)などといった結果だ。

 そこで今回、5つのスニチニブの臨床試験を統合解析し、770人の転移性腎細胞癌患者について後ろ向きに検討を行った。スニチニブは544人(71%)が1日50mgを4週投与2週休薬で、226人(29%)が37.5mg連日投与とした。

 登録された患者は、セカンドライン治療として4週投与2週休薬された2つのフェーズ2試験からそれぞれ63人、106人、ファーストライン治療として4週投与2週休薬されたフェーズ3試験から375人、ファーストライン治療として連日投与されたフェーズ2試験から119人、セカンドライン治療として連日投与したフェーズ2試験から107人だった。

 患者背景は、年齢(中央値)は56〜62歳、ECOG PSが0だったのは5〜6割。腎摘除術は9割以上に施行されており、サイトカイン治療を受けていたのはセカンドライン治療としてスニチニブを投与された患者では100%だった。

 4週投与2週休薬の患者を対象に多変量解析を行った結果、任意の時期での高血圧発生は、PFSに対してハザード比0.29、OSに対してハザード比0.30と有意な因子だった。12週後における高血圧の発生は、PFSに対しては有意ではなかったが、OSに対してハザード比0.65と有意な因子だった。

 任意の時期での手足皮膚症候群の発生は、PFSに対してハザード比0.75、OSに対してハザード比0.58と有意な因子だった。12週後における手足皮膚症候群の発生は、PFSに対しては有意ではなかったが、OSに対してハザード比0.67と有意な因子だった。

 任意の時期での無力感/倦怠感の発生は、PFSに対しハザード比0.49、OSに対してハザード比0.72と有意な因子だった。12週後における無力感/倦怠感の発生はPFS、OSのいずれに対しても有意な因子とはならなかった。また、好中球減少、血小板減少についてはいずれもPFS、OSに対する有意な因子ではなかった。減量や治療期間は予後とは相関しなかった。

 また、スニチニブ連日投与例についても、4週投与2週休薬例と同様の結果が得られた。

 これらの結果からDonskov氏は、「高血圧や手足皮膚症候群はスニチニブ治療によるPFSやOSの改善を早期に予測する因子である可能性がある。さらに詳細な検討は必要だが、こうした有害事象が見られた場合は、適切な治療を行うことで治療の継続への意欲を持って欲しい」と語った。