進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)で非喫煙者の患者のセカンドライン治療として、エルロチニブペメトレキセドの併用療法とエルロチニブまたはペメトレキセドの単剤療法を検討した無作為化フェーズ2試験から、無増悪生存期間(PFS)はエルロチニブとペメトレキセドの併用療法で有意に延長することが示された。9月28日から10月2日までウィーンで開催された第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、韓国Asan Medical CenterのD.H.Lee氏が発表した。

 ペメトレキセドとエルロチニブの併用療法は、NSCLC患者のセカンドライン治療を検討したフェーズ1/2試験において忍容性と有望な有効性が報告されている。

 Lee氏らは、多施設共同、非盲検、並行群間比較のフェーズ2試験において、局所進行または転移を有する非扁平上皮NSCLCで非喫煙者のセカンドライン治療として、エルロチニブとペメトレキセドの併用療法を検討した。対象は、2007年11月から2010年7月までに登録された、PS 2以下、前治療で1つの化学療法のレジメンで治療に失敗した患者とした。

 エルロチニブとペメトレキセドの併用療法群(E+P群)エルロチニブ単剤療法群(E群)、ペメトレキセド単剤療法群(P群)のいずれかに、患者を1対1対1となるよう無作為に割り付けた。治療は21日を1サイクルとし、E+P群ではエルロチニブ150mg/日を2日目から14日目まで、ペメトレキセド500mg/m2を1日目に投与した。E群ではエルロチニブ150mg/日を1日目から21日目まで投与し、P群ではペメトレキセド500mg/m2を1日目に投与した。ペメトレキセドを含むレジメンでは、ビタミンB12、葉酸、デキサメタゾンを併せて投与した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)だった。
 
 273人が登録され、プロトコールの改訂に伴い、非扁平上皮癌に限定したqualified ITT(Q-ITT)解析対象は240人となった。実際に投与を受けたのは、E+P群75人、E群82人、P群77人だった。E+P群、E群、P群において、東アジア人の割合はそれぞれ52.6%、59.8%、53.8%、女性の割合は74.4%、65.9%、56.3%、PS 0/1の患者の割合は91.0%、92.7%、95.0%、腺癌の割合は92.3%、92.7%、96.3%だった。

 Q-ITT解析対象におけるPFSは、E群、P群と比較してE+P群で有意に延長した(p=0.003)。E+P群のE群に対するハザード比は0.57(95%信頼区間:0.40−0.81、p=0.002)、P群に対するハザード比は0.58(95%信頼区間:0.39−0.85、p=0.005)だった。P群とE群の間に有意差はなく、ハザード比は0.99(95%信頼区間:0.70−1.40、p=0.959)だった。PFS中央値は、E+P群7.4カ月(95%信頼区間:4.4−12.9)、E群3.8カ月(95%信頼区間:2.7−6.3)、P群4.4カ月(95%信頼区間:3.0−6.0)だった。
 
 奏効率は、E+P群44.7%、E群29.3%、P群10.0%で、E+P群はE群、P群と比較して有意に高かった(それぞれp=0.031、p<0.001)。またE群はP群と比較して有意に奏効率が高かった(p=0.004)。病勢コントロール率はE+P群64.5%、E群52.4%、P群56.3%で、3群間に有意差はなかった。
 
 治療に関連して発現したグレード3以上の有害事象は、E+P群45人(60.0%)、P群10人(12.0%)、E群22人(28.9%)に発現した。E+P群で多く観察されたグレード3以上の有害事象は、好中球減少(24.0%)、白血球減少(12.0%)、リンパ球減少(12.0%)、貧血(10.7%)などで、管理可能だった。治療に関連する死亡は、P+E群2人(2.7%)、P群3人(3.9%)で認められた。

 Q-ITT解析対象における全生存期間(OS)は3群間に有意差はなかった(p=0.194)。打ち切り例の割合は45.8%だった。

 予備的に行われたバイオマーカー解析では、Q-ITT解析対象のうち43人(18%)でEGFR遺伝子変異の解析が行われ、このうち24人(55.8%)が陽性だった。

 Lee氏は「今回の検討ではサンプル数が小さかったが、エルロチニブとペメトレキセドの併用療法により、臨床的に異なるサブグループやバイオマーカーが異なるサブグループでも、有用性が得られる可能性が示唆された」と話した。