転移性腎細胞癌のファーストライン治療として、pazopanib投与群の無増悪生存期間(PFS)はスニチニブ投与群のPFSに対して非劣性であることが、フェーズ3試験であるCOMPARZ試験の結果から示された。一方、いくつかの副作用については2剤の間で発生頻度が異なっていた。9月28日からウィーンで開催された第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのRobert Motzer氏が発表した。

 スニチニブとpazopanibはともに経口の血管新生阻害薬で、転移性腎細胞癌に対してそれぞれPFSを有意に延長することが示されている。COMPARZ試験は、この2剤の効果と安全性、忍容性を直接比較したものだ。

 対象は、未治療の淡明細胞型転移性腎細胞癌で、スニチニブ群に553例、pazopanib群に557例が割り付けられた。スニチニブは1日1回50mgを4週投与2週休薬のサイクルで、pazopanibは1日1回800mgを連日投与した。

 主要評価項目はPFSで、pazopanibがスニチニブに対して非劣性を示すことができるかどうか検討した。非劣性については、独立評価委員会による評価の結果、ハザード比の上限が1.25未満となるかどうかが検討された。副次評価項目は、全生存期間(OS)、奏効率、有害事象、QOL評価とした。

 患者背景は、2群とも年齢61〜62歳、男性比率は7割超で、腎摘除術施行例は約8割。KPSスコア90/100だったのは75〜76%。LDHが正常上限値の1.5倍以下だったのは9割超だった。MSKCCリスク分類でFavorableリスクは2群ともに27%、Intermediateリスクはpazopanib群58%、スニチニブ群59%、Poorリスクはpazopanib群12%、スニチニブ群9%だった。転移臓器で最も多かったのは肺で8割弱、リンパ節は4割、骨、肝臓ともに2割前後だった。

 追跡の結果、独立評価委員会によるPFS(中央値)は、スニチニブ群が9.5カ月だったのに対し、pazopanib群は8.4カ月で、ハザード比1.047、95%信頼区間0.898-1.220で、pazopanibのスニチニブに対する非劣性が示された。治験担当医師の評価によるPFS(中央値)は、スニチニブ群10.2カ月、pazopanib群10.5カ月で、ハザード比0.998、95%信頼区間0.863-1.154で、同じくこちらも非劣性が示された。

 完全奏効(CR)が得られたのは2群ともに1%未満で、部分奏効(PR)はスニチニブ群24%、pazopanib群31%、客観的奏効率はスニチニブ群25%に対しpazopanib群31%で、pazopanib群で有意に高かった(p=0.032)。

 OS(中央値)は、スニチニブ群29.3カ月、pazopanib群28.4カ月で、ハザード比0.908(95%信頼区間:0.762-1.082、p=0.275)だった。

 治療期間(中央値)は、スニチニブ群7.6カ月、pazopanib群8.0カ月で、減量した患者の割合はスニチニブ群51%、pazopanib群44%、有害事象による中断はスニチニブ群19%、pazopanib群24%だった。

 重篤な有害事象は、pazopanib群で42%、スニチニブ群で41%に発生した。

 各検査値の有害事象(全グレード)としてスニチニブ群に比べてpazopanib群で多く見られたのは、ALT上昇(60%、スニチニブ群43%)、ビリルビン値上昇(36%、スニチニブ群27%)だった。一方、pazopanib群に比べてスニチニブ群で多く見られたのは低アルブミン血症(42%、pazopanib群33%)、クレアチニン上昇(46%、pazopanib群32%)、低リン血症(52%、pazopanib群36%)、白血球減少(78%、pazopanib群43%)、好中球減少(68%、pazopanib群37%)、血小板減少(78%、pazopanib群41%)、リンパ球減少(55%、pazopanib群38%)、貧血(60%、pazopanib群31%)だった。

 そのほかに治療に関連した頻度の高い有害事象の検討では、下痢(スニチニブ群57%、pazopanib群63%)、高血圧(スニチニブ群41%、pazopanib群46%)、悪心(スニチニブ群46%、pazopanib群45%)については差が認められなかった。

 ALT上昇はスニチニブ群18%、pazopanib群31%、毛髪色変化がスニチニブ群10%に対しpazopanib群30%と、pazopanib群で有意に多かった。一方、倦怠感はスニチニブ群63%、pazopanib群55%、手足皮膚症候群はスニチニブ群50%、pazopanib群29%、味覚障害はスニチニブ群36%、pazopanib群26%、血小板減少はスニチニブ群34%、pazopanib群10%と、スニチニブ群で有意に多かった。

 FACIT-FやFKSI-19、CTSQ、SQLQなどのQOL評価法で検討した結果、多くの指標でpazopanib群がスニチニブ群に比べて良好だった。

 これらの結果からMotzer氏は、「PFSについてpazopanibのスニチニブに対する非劣性が示された。発生した有害事象には差があり、pazopanibでは手足皮膚症候群、倦怠感、粘膜炎は少なかったが肝機能障害が多かった。QOL評価はpazopanibの方が良好だった」と締めくくった。