転移性大腸癌にファーストラインとしてイリノテカンとS-1を併用するIRIS療法に、抗血管内皮成長因子抗体ベバシズマブを併用することが高い効果を持つ可能性が明らかとなった。国内で行われたフェーズ2試験のアップデート解析で、生存期間中央値は39.6カ月を示した。9月28日から10月2日にオーストリア・ウィーンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、市立函館病院の畑中一映氏によって発表された。

 現在、IRIS+ベバシズマブとFOLFOX/XELOX+ベバシズマブを比較するフェーズ3試験が開始されている。

 このフェーズ2試験は2007年10月から2009年3月までに国内の9施設で行われ、53人の患者が登録された。1人の患者が治療を拒否したため、52人のデータが解析された。患者の年齢中央値は63.5歳(48-82歳)で、男女比は3対2。全身状態は全員がPS0だった。

 患者には1サイクルを4週間として、1日目と15日目にイリノテカン100mg/m2とベバシズマブ5mg/kgを投与し、S-1は1日目から15日目まで体表面積に応じて40mgから60mgを1日2回投与した。

 試験の主要評価項目である安全性については、2012 年1月の解析で、グレード3/4の好中球減少症の発現が27%の患者で認められた。他のグレード3/4の副作用は下痢(17%)、食欲不振(4%)、口内炎(3%)、高血圧(21%)などだった。

 抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が3人、部分奏効(PR)が30人、病勢安定(SD)が16人で、奏効率は63.5%(95%信頼区間:50.4-6.5)だった。疾患制御率は94.2%だった。無増悪生存期間中央値は17.0カ月(95%信頼区間:14.2-19.8)、全生存期間中央値は39.6カ月(95%信頼区間:36.3-42.9)となった。