経口のアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤enzalutamideは、骨関連事象(SRE)の出現と疼痛増悪までの期間を有意に遅延させることが、去勢抵抗性前立腺癌患者を対象としたフェーズ3試験、AFFIRMで確認された。フランスInstitut Gustave RoussyのKarim Fizazi氏らが、オーストリア・ウィーンで9月28日から開催されている第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で発表した。

 enzalutamideは、アンドロゲン受容体シグナル伝達経路において、テストステロンのアンドロゲン受容体への結合を競合的に阻害、アンドロゲン受容体の核内移行を阻害、そしてアンドロゲン受容体とDNAの結合阻害といった3段階の阻害作用を示す。

 AFFIRM試験は、ドセタキセル治療歴のある去勢抵抗性前立腺癌患者1199人を対象に、enzalutamide投与群(800人)とプラセボ群(399人)を比較した。その結果、全生存期間中央値はプラセボ群13.6カ月に対してenzalutamide群は18.4カ月であることが報告されている(ハザード比0.631、p<0.0001)。

 今回の解析で、SREの初回出現までの期間中央値は、enzalutamide投与群が16.7カ月(95%信頼区間:14.6-19.1)、プラセボ群が13.3カ月(同:9.9-未到達)で、enzalutamideによってSREリスクが31%低下することが示された(ハザード比0.688、p=0.0001)。
 
 疼痛は、簡易疼痛質問票BPI-SF、患者の疼痛日記、前立腺癌用のQOL調査票FACT-Pを用いて評価された。まずBPI-SFで試験開始時から13週目までの疼痛の変化をみた結果、痛みの程度のスコアがenzalutamide投与群では7.5%改善していたが、プラセボ群では23%悪化していた。また痛みによる生活障害(Interference)のスコアは、enzalutamide投与群では0.2%改善、プラセボ群では30%悪化した。
 
 また患者の疼痛日記からは、13週時点の疼痛増悪が、enzalutamide投与群では28%だが、プラセボ群では39%に見られた(p=0.0018)。一方、疼痛が緩和されていた患者(疼痛スコアが30%以上低下)は、enzalutamide投与群が45%、プラセボ群が7%だった(p=0.0079)。

 FACT-Pで評価した疼痛増悪までの期間中央値は、enzalutamide投与群では未到達だが、プラセボ群は13.8カ月で、enzalutamideは増悪リスクを44%低下させた(ハザード比0.564、p=0.0004)。

 またFACT-Pにより、enzalutamideはQOLに関しても有意に改善することが示された(p<0.05)。