治療歴のあるALK変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)には標準的な化学療法(ペメトレキセドまたはドセタキセル)よりもALK阻害剤であるクリゾチニブの方が有効であることが明らかとなった。既治療のALK変異陽性NSCLCに対して、化学療法とクリゾチニブを比較したフェーズ3試験、PROFILE1007の結果示されたもの。既治療のALK変異陽性NSCLCにはクリゾチニブが標準療法となった。

 成果は9月28日から10月2日にオーストリア・ウィーンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、米Massachusetts General HospitalのAlice Shaw氏によって発表された。

 PROFILE1007試験は、進行ALK変異陽性NSCLCに対して標準化学療法とクリゾチニブをhead to headで比較した初めての無作為化フェーズ3試験。2010年2月から2012年2月までに白金製剤ベースの化学療法を1レジメン受けた3B期/4期のALK変異陽性NSCLC患者347人が登録された。

 クリゾチニブ群(173人)には1日2回経口でクリゾチニブ250mgが投与された。化学療法群(174人)は3週おきにペメトレキセド500mg/m2を投与される群(58%)とドセタキセル75mg/m2を投与される群(42%)に分けられた。ALK陽性の判定は中央検査室でFISH法によって行われた。化学療法群で増悪した患者はPROFILE1005試験としてクリゾチニブにクロスオーバーされた。主要評価項目は独立画像判定委員会による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、安全性、患者報告症状だった。

 観察期間中央値がクリゾチニブ群12.2カ月、化学療法群12.1カ月の段階で、クリゾチニブ群のPFS中央値は7.7カ月、化学療法群は3.0カ月で、ハザード比0.49(95%信頼区間:0.37-0.64)、p<0.0001でクリゾチニブが有意に長かった。化学療法群を薬剤別に分けても、ペメトレキセド群(99人)で4.2カ月、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.43-0.80)、p=0.0004、ドセタキセル群(72人)で2.6カ月、ハザード比0.30(95%信頼区間:0.21-0.43)、p<0.0001と有意にクリゾチニブ群の方が長かった。

 奏効率もクリゾチニブ群が65.3%、化学療法群が19.5%でオッズ比3.4(95%信頼区間:2.5-4.7)、p<0.0001で有意にクリゾチニブ群で高かった。OSの中間解析(イベント数がクリゾチニブ群49、化学療法群27時点)では、統計学的な有意差はなく、中央値はクリゾチニブ群が20.3カ月、化学療法群が22.8カ月で、ハザード比1.02(95%信頼区間:0.68-1.54)、p=0.5394だった。しかし、クリゾチニブにクロスオーバーした患者が111人おり、その分を調整するとハザード比は0.83(95%信頼区間:0.36-1.35)となった。

 クリゾチニブ群で多く見られた副作用は視覚障害(60%)、下痢(60%)、吐き気(55%)、嘔吐(47%)、便秘(42%)、トランスアミナーゼ上昇(38%)などだった。化学療法群で多く見られた薬剤関連副作用は吐き気(37%)、倦怠感(33%)、脱毛(21%)などだった。グレード3/4の副作用でクリゾチニブ群に多かったのはトランスアミナーゼ上昇(16%)、化学療法群で多かったのは好中球減少症(19%)、発熱性好中球減少症(9%)だった。

 患者報告によると、咳、呼吸困難、倦怠感、脱毛、不眠症、疼痛の症状がクリゾチニブ群で有意に改善していた。QOLもクリゾチニブ群で有意に改善されていた。