日本人高齢者の非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者に、カルボプラチンとペメトレキセドによる導入療法を行い、その後、ペメトレキセドによる維持療法を行うことは、血液学的毒性によって投与量を調整することで、実施可能であることが明らかとなった。市販後臨床試験として実施されたJACAL 試験(Japanese Alimta and Carboplatin followed by Alimta)のサブグループ解析で示されたもの。

 成果は9月28日から10月2日にオーストリア・ウィーンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で、四国がんセンターの野上尚之氏によって発表された。

 JACAL試験の対象は、化学療法による前治療歴のないIIIB期またはIV期の非扁平上皮NSCLC患者。導入療法として、21日毎にカルボプラチンAUC6とペメトレキセド500mg/m2を第1日に投与し、これを4サイクル行った。この導入療法の後、SD 以上の効果が得られた患者に維持療法として21日毎にペメトレキセド500mg/m2を第1日に投与し、PDまで継続した。
 
 今回のサブグループ解析は、非扁平上皮NSCLC患者109人を70歳以上(高齢者群:25人)と70歳未満(非高齢者群:84人)に分けて行われた。年齢中央値は高齢者群で73歳(70-78)、非高齢者群で61歳(38-69)。高齢者群はPS0が40%、PS1が60%、非高齢者群はPS0が32%、PS1が68%。高齢者群の男性比率は40%、非高齢者群は36%だった。4サイクルの導入療法完遂率は高齢者群56%、非高齢者群73%、維持療法実施率は高齢者群48%、非高齢者群57%であった。

 高齢者群の導入療法で副作用のために減量となったのは36%(非高齢者群は15%)、投与の遅延となったのは52%(非高齢者群は45%)であった。しかし、維持療法のサイクル数中央値は高齢者群が5(1-16)、非高齢者群が4(1-34)と差はなかった。

 グレード3/4の血液毒性は高齢者群で多く見られ、グレード3/4の好中球減少症は50%(非高齢者群は38%)、血小板減少症は25%(非高齢者群は15%)、貧血は25%(非高齢者群は10%)だった。

 奏効率は高齢者群が24%、非高齢者群が38%だった。導入療法開始時点からの無増悪生存期間中央値は、高齢者群が5.2カ月(95%信頼区間:3.5-8.2)、非高齢者群5.8カ月(95%信頼区間:4.8-7.4)、全生存期間中央値は、高齢者群が16.8カ月(95%信頼区間:10.3-NC)、非高齢者群が20.5カ月(95%信頼区間:16.7-NC)と両群で有意な差はなかった。

 野上氏は、カルボプラチン、ペメトレキセド導入療法とペメトレキセド維持療法は、高齢者であっても、用量調整を実施すれば、血液学的毒性の管理は可能であるとした。PFSは非高齢者と同様であり、OS中央値は16.8カ月と良好であった。