ALK阻害剤であるLDK378の連日経口投与は忍容性があり、クリゾチニブ治療歴がある患者を含めALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者では抗腫瘍効果が認められることが、進行癌患者を対象としたフェーズ1試験で確認された。米国Massachusetts General HospitalのAlice T. Shaw氏らが、オーストリア・ウィーンで9月28日から開催されている第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で発表した。

 LDK378は新規の低分子ALK阻害剤。ALK陽性のNSCLCの異種移植モデルで、腫瘍縮小効果が確認されている。

 フェーズ1試験の主要評価項目はLDK378の最大耐用量(MTD)の決定、副次評価項目は安全性、薬物動態、予備的抗腫瘍効果と設定された。

 対象は、ALK遺伝子再構成のある局所進行もしくは転移性癌患者で、標準的な治療で進行もしくは効果的な治療がない患者とした。ALK遺伝子再構成はNSCLCではFISH法で、その他の癌ではFISH法、PCR法もしくはIHC法で判定した。

 2012年8月31日時点で、88人が登録した。患者の年齢中央値は54歳(22-80歳)。このうちNSCLCが79人で、うち56人にはクリゾチニブ治療歴があった。乳癌は4人、胞巣型横紋筋肉腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、直腸癌、T細胞非ホジキンリンパ腫、不明が各1人だった。

 用量漸増試験は59人を対象に行われ、LDK378は50-750mg/日が投与された。この結果、MTDは750mg/日と決定された。

 なお1サイクル目の用量制限毒性(DLT)は、400mg/日を投与した14人中2人(グレード3のALT上昇、グレード3の低リン酸血症)、600mg/日の10人中2人(グレード3の下痢、グレード3の脱水)、750mg/日の10人中2人(グレード3の下痢と嘔吐、減量を要するグレード2の下痢とグレード1の悪心)で見られた。

 抗腫瘍効果は、NSCLC患者でのみ認められた。LDK378を400mg/日以上投与したNSCLC患者59人では、CRが1人(2%)、CR+PRが24人(41%)だった。またクリゾチニブ治療歴があり400mg/日以上投与した患者45人では、CRは1人(2%)、CR+PRが21人(47%)だった。また少なくとも1回PRが見られた患者44人では、奏効期間中央値が7.4カ月、奏効期間が6カ月以上続いた患者は71%だった。

 有害事象は98%の患者で見られた。頻度の高い有害事象は、悪心67%、下痢63%、嘔吐52%、疲労感28%だった。グレード3/4の有害事象は49%で認められ、ALT上昇11%、下痢8%、AST上昇7%、高血糖6%などだった。

 今後、フェーズ1試験は継続される。また化学療法やクリゾチニブ治療歴があるALK陽性NSCLC患者や、クリゾチニブ治療歴がないALK陽性NSCLC患者を対象とした単群のフェーズ2試験が開始される。