治癒切除非小細胞肺癌(NSCLC)の術後補助療法として、S-1とS-1+シスプラチン併用療法は、どちらも良好な2年無再発生存率を示し、安全性も認められることが、国内多施設共同フェーズ2試験で明らかになった。倉敷中央病院呼吸器内科の吉岡弘鎮氏らが、オーストリア・ウィーンで9月28日から開催されている第37回欧州臨床腫瘍学会(ESMO2012)で発表した。

 対象は、根治切除したステージ2/3AのNSCLC患者。2007年9月から2009年12月に30施設の200人が登録した。患者をS-1単独群とS-1+シスプラチン群に無作為に分けた。S-1単独群には、3週おきにS-1 80-120mg/bodyを第1日から第14日に投与し、これを1年間続けた。S-1+シスプラチン群には、3週おきに、シスプラチン60mg/m2を第1日に、S-1 80-120mg/bodyを第1日から第14日に投与し、これらを4サイクル行った。いずれも術後8週以内に開始した。

 主要評価項目は2年無再発生存率、副次評価項目は全生存(OS)と毒性だった。また層別化因子は組織型、ステージ、施設とした。

 実際に治療を受けたのは、S-1群が97人、S-1+シスプラチン群が95人。このうちS-1群で計15サイクルの治療を行った患者は52.6%、S-1+シスプラチン群で4サイクル行った患者は74.7%だった。治療中止の理由は、患者の希望がS-1群で30.4%、S-1+シスプラチン群で41.7%、有害事象による中止がそれぞれ39%、25.1%、再発が28.3%、0%、医師の決定が2.2%、33.3%だった。

 相対用量強度は、中央値でS-1群が0.852、S-1+シスプラチン群ではS-1は0.864、シスプラチンが0.941だった。

 2年無再発生存率はS-1群では65.6%(95%信頼区間:55.3-74%)、S-1+シスプラチン群は58.1%(同:47.7-67.2%)だった。

 主なグレード3/4の有害事象は、血液毒性では、好中球減少がS-1群では13.4%、S-1+シスプラチン群は27.4%(p=0.02)、貧血がそれぞれ1%、8.4%(p=0.018)だった。非血液毒性では、食欲不振が2.1%、9.5%(p=0.032)、悪心が0%、6.3%(p=0.014)、また発熱性好中球減少が0%、5.3%(p=0.028)と、S-1+シスプラチン群で多くみられた。

 以上の結果から、治癒切除非小細胞肺癌の術後補助療法として、S-1とS-1+シスプラチン併用療法はどちらも施行可能であるとした。