cyclin-dependent kinase(CDK)2の特異的活性は原発のGastrointestinal stromal tumor(GIST)の臨床病理学的な活性と関連し、無再発生存期間(RFS)の独立予後因子となることが、細胞周期活性の解析から示された。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されたThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、大阪警察病院の西田俊朗氏が発表した。

 高リスクのGIST患者ではR0切除を行っても予後は不良である。イマチニブによる術後補助療法でRFSや全生存期間(OS)が改善するものの、術後補助療法が有用な対象についてはまだ検討中である。

 GISTでは増殖活性が生物学的な侵襲に影響すると考えられるが、少数の免疫組織学的な研究を除き、信頼性が高い因子は報告されていない。
 
 西田氏らは、細胞周期の活性を測定し、CDK活性の生物学的因子および予後因子としての重要性を評価した。

 検討の対象は、組織学的に確認されたGISTで、2004年7月から2009年12月までにR0切除が行われた患者68人(男性31人、年齢中央値60歳)。胃GISTが43人だった。

 腫瘍の大きさの中央値は4.5cm、核分裂数の中央値は2.5/50HPEだった。追跡期間の中央値は37カ月で、再発は19人にみられ、生存中の患者は61人だった。
 
 西田氏らは凍結サンプルを用いてCDK1、2の発現と特異的活性を測定し、遺伝子型の同定を行った。予後因子として、年齢、性別、核分裂数、Ki67、KITの欠失変異、診断時の症状、腫瘍壊死像、腫瘍破裂などを解析した。
 
 再発について、予後因子としてのCDK1とCDK2のROC解析では、CDK2の特異的活性のAUCが 0.904を示し、有意な予後因子と考えられた(p<0.0001)。CDKの活性が測定可能だった61人中、CDK2の特異的活性が高い患者(17人)と比較して、低い患者(44人)のRFSは有意に良好だった(p<0.0001)。
 
 RFSについての単変量解析では、腫瘍の大きさ(<5cm対>5cm)、核分裂数(<5/50対>5/50)、腫瘍の部位(胃GIST対その他の部位のGIST)、腫瘍破裂(有無)、CDK2の特異的活性(<63対>63)、c-kitの欠失変異などが有意な予後因子としてあげられた。
 
 さらにCox比例ハザードモデルによる多変量解析では、CDK2の特異的活性のみがRFSの独立予後因子として示された。ハザード比は28だった(p=0.0109)。
 
 西田氏は、「大規模な前向き試験で検証する必要があるが、CDK2の特異的活性は、原発GISTの治癒切除後の再発を予測する重要なマーカーとなる可能性がある」と話した。