転移性大腸癌のファーストライン治療として、BIBF 1120とmFOLFOX6の併用は、ベバシズマブとmFOLFOX6の併用と同等の効果があり、重篤な有害事象はBIBF 1120投与群のほうが少ないことが、オープンラベル無作為化フェーズ1/2試験で明らかになった。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されたEMCC2011で、ベルギーUniversity Hospital GasthuisbergのE. Van Cutsem氏らが発表した。

 BIBF 1120は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR 1-3)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α、-β)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR 1-3)の3つを同時に阻害する新規トリプルアンジオキナーゼ阻害剤。

 試験は、化学療法による治療歴がない切除不能転移性大腸癌患者を対象に行われた。患者はBIBF 1120とmFOLFOX6併用の群(BIBF 1120投与群)とベバシズマブとmFOLFOX6併用の群(ベバシズマブ投与群)に2対1の比率で割り付けられた。主要評価項目は、9カ月時点での無増悪生存(PFS)率、副次評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、奏効率、安全性、QOLと設定された。

 フェーズ1試験でBIBF 1120の最大耐用量は200mgの1日2回投与と決定された。mFOLFOX6は2週おきに投与し、ベバシズマブ投与群ではベバシズマブ5 mg/kgを、2週おきに投与した。これらの治療を病勢進行もしくは許容できない毒性の発現まで継続した。

 患者の年齢中央値はBIBF 1120投与群(85人)が65歳、ベバシズマブ投与群(41人)が63歳、ECOG PS 0がそれぞれ65.9%、68.3%、PS 1が34.1%、29.3%であり、LDH正常値の患者がそれぞれ49.4%、48.8%と、両群の患者背景はバランスがとれていた。

 この結果、9カ月時点のPFS率は、BIBF 1120投与群で63%(95%信頼区間:50-75%)、ベバシズマブ投与群で69%(同:53-86%)と、ほぼ同じだった。無増悪生存期間の中央値は、BIBF 1120投与群では10.6ヵ月、ベバシズマブ投与群も10.6カ月で、ハザード比は0.924(同:0.505-1.690)だった。

 奏効率(ORR)は、 BIBF 1120投与群で61.2%、ベバシズマブ投与群で53.7%、奏効期間中央値はそれぞれ8カ月、10.5カ月だった。また手術による切除が可能になったのは、それぞれ14.1%、19.5%だった。なおmFOLFOX6の治療完遂率や治療期間は両群で大きな違いがなかった。

 安全性プロファイルは両群とも類似していたが、重篤な有害事象(SAE)は、BIBF 1120投与群で34.1%、ベバシズマブ投与群で53.7%であり、中でも消化管のSAEが、BIBF 1120投与群で11.8%、ベバシズマブ投与群では29.3%だった。消化管SAEのうち、消化管穿孔・消化管瘻がそれぞれ2.4%、9.8%、腹痛が1.2%、7.3%と、ベバシズマブ投与群で多かった。

 グレード3以上の有害事象は、BIBF 1120投与群で88.2%、ベバシズマブ投与群で95.1%だった。主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少がそれぞれ32%、24%、末梢神経障害が25%、27%、下痢が15%、12%、無力症が11%、10%だった。また治療28日以内の死亡はそれぞれ1.2%(1人)、7.3%(3人)。有害事象による治療中止は、BIBF 1120投与群でBIBF 1120の中止が24.7%、5-FUが23.5%、オキサリプラチンが62.4%であり、ベバシズマブ投与群ではベバシズマブの中止が31.7%、5-FUが24.4%、オキサリプラチンが68.3%だった。