局所進行切除不能膵腺癌に、ゲムシタビンS-1放射線療法(CRT)を行うことで高い抗腫瘍効果が得られる可能性が明らかとなった。フェーズ1/2試験の結果、示されたもの。1年生存率は76%になり、生存期間中央値は未到達だ。成果は9月23日から27日までスウェーデンストックホルムで開催されたThe European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC2011)で、大阪府立成人病センターの井岡達也氏によって発表された。

 現在、局所進行膵腺癌を対象に、CRTと同時にゲムシタビン、S-1を投与する群と、ゲムシタビン、S-1を投与する110人規模のフェーズ2試験を既に開始しているという。評価ポイントは2年生存率。

 井岡氏らは、局所進行切除不能膵腺癌を対象にゲムシタビン、S-1、放射線療法(CRT)という最強と考えられる治療を行いダウンステージングさせ、切除可能にして生存期間を延長させることを目指して、今回の試験を行った。

 患者には21日を1サイクルとして、1日目と8日目にゲムシタビンを投与し、S-1は1日目から14日まで1日2回投与、病状が進行するまで投与が継続された。CRTは5週にわたって28回照射し、トータルで50.4グレイに固定された。

 まずフェーズ1部分でゲムシタビン、S-1の至適用量を決めた。レベル1は週あたりゲムシタビン600mg/m2、S-1を1日あたり50mg/m2投与した。用量制限毒性は見られなかった。レベル2は週あたりゲムシタビン600mg/m2、S-1を1日あたり60mg/m2投与した。用量制限毒性は2件(グレード4の好中球減少症、グレード3の吐気)が見られた。レベル3は週あたりゲムシタビン800mg/m2、S-1を1日あたり60mg/m2投与した。用量制限毒性は3件(グレード4の好中球減少症が2件、グレード3の食欲不振が1件)起こり、レベル2が最大耐量となった。レベル2の用法、用量でフェーズ2として15人追加し、21人で評価を行った。

 試験の結果、奏効率は52%、腫瘍制御率は81%、1年生存率は76%、生存期間中央値は未到達という極めて良い結果が得られた。血液学的、非血液学的副作用はほとんど忍容できるものだった。