日本人の非扁平上皮型局所進行非小細胞肺癌に対する同時化学放射線療法として、ペメトレキセド500mg/m2シスプラチン75mg/m2に、線量は66Gyがよいことが、フェーズ1試験の結果から示された。9月23日からスウェーデンストックホルムで開催されたThe European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC2011)で、国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の関根郁夫氏が発表した。

 同時化学放射線療法のシスプラチンの併用薬として、最大用量を投与できる第3世代の肺癌治療薬はこれまでなかった。しかし、ペメトレキセドは放射線増感作用があることが基礎的検討から示され、同時化学放射線療法におけるプラチナ系薬剤との併用薬として期待された。そこで同グループは、非扁平上皮型非小細胞肺癌に対するペメトレキセド+シスプラチンを使った同時化学放射線療法について検討を行った。

 試験の適格基準は、IIIA期、IIIB期の切除不能非扁平型非小細胞肺癌で、年齢20〜74歳、ECOG PSが0あるいは1の患者。

 試験デザインは、同時化学放射線療法として、放射線療法を週5日間行うと同時にペメトレキセド+シスプラチンを3週ごとに3サイクル投与し、次に地固め治療としてペメトレキセドを3週ごとに3サイクル投与するとした。

 同時化学放射線療法は、レベル1としてペメトレキセド(500mg/m2)+シスプラチン(75mg/m2)と60Gy(2Gy/日を30日間)、レベル2としてペメトレキセド(500mg/m2)+シスプラチン(75mg/m2)と66Gy(2Gy/日を33日)とした。ペメトレキセドによる地固め療法はいずれも500mg/m2とした。

 ステップ1群として6人にレベル1の治療を、ステップ2群6人にレベル2の治療を行った。また、ステップ3群として6人を追加し、レベル2の治療を行った。

 18人の患者背景は、年齢中央値61歳、男性比率77.8%、ECOG PS 0が83.3%、腺癌が72.2%、ステージIIIAが44.4%、喫煙歴のある患者が77.8%だった。

 ステップ1群のうち1人に用量制限毒性としてグレード3の食欲不振と下痢が発生したが、ステップ2群には用量制限毒性発生例はなかった。この結果から推奨用量をレベル2とした。両群ともにそれぞれ6人が地固め療法へ進んだ。地固め療法を完遂したのは2群ともに5人だった。ステップ3群には肺炎例と病勢進行例が1人ずつあり治療を中断し、4人が地固め療法に進み、地固め療法を完遂したのは2人だった。

 同時化学放射線療法におけるレベル2治療の化学療法の用量強度はペメトレキセド93.4%、シスプラチン93.2%で、放射線治療の線量も設定通り施行された。放射線治療については2人で感染症と発熱により施行日が遅れた。地固め療法については、レベル2の治療を受けた10人の用量強度は95.8%だった。

 有害事象については、試験期間中の治療関連死はなく、頻度が高かったグレード3/4の有害事象はリンパ球減少(88.9%)、白血球減少(66.7%)だった。

 これらの結果から同グループでは、日本人の非扁平上皮型局所進行非小細胞肺癌に対する同時化学放射線療法におけるペメトレキセド(500mg/m2)+シスプラチン(75mg/m2)と組み合わせる放射線療法の線量は66Gyで、忍容性が高く、3サイクルの化学療法は設定用量を投与することができたとまとめた。