レトロゾールまたはアナストロゾールで難治性の閉経後の進行乳癌患者に対し、エベロリムスとエキセメスタンの併用により、無増悪生存期間(PFS)と奏効率が有意に改善することが大規模なフェーズ3試験、BOLERO-2から明らかになった。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されたThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、米Massachusetts General HospitalのJose Baselga氏が発表した。

 エストロゲン受容体(ER)陽性の早期乳癌患者を対象にネオアジュバント療法を検討したフェーズ2試験では、レトロゾール単剤と比較して、エベロリムスとレトロゾールの併用により奏効率が有意に改善し、Ki67の発現が減少したことが報告されている。

 Baselga氏らは、ER陽性、HER2陰性の局所進行性または転移を有する乳癌で、レトロゾールやアナストロゾールに難治性の閉経後の患者を対象に、二重盲検、プラセボ対照の無作為化フェーズ3試験を行い、エベロリムスとエキセメスタンの併用について、有効性と安全性を検討した。主要評価項目は、各施設の試験担当医師の評価によるPFS、副次的評価項目は、全生存期間(OS)、奏効率、安全性などだった。

 BOLERO-2試験には、24カ国の189施設から日本人を含む724人(年齢中央値62歳)の患者が登録された。患者は、エベロリムス10mg/日とエキセメスタン25mg/日を併用する群(併用群)と、プラセボとエキセメスタンを投与する群(プラセボ群)に2:1になるよう割り付けられ、それぞれ485人(年齢中央値62歳)と239人(同61歳)となった。
 
 患者の84%は過去のホルモン療法に感受性で、最終治療でレトロゾールまたはアナストロゾールが使用された患者は、併用群74%、プラセボ群75%だった。骨転移は患者の77%に認められた。前治療にタモキシフェンが使用された患者はそれぞれ47%と49%、フルベストラントは17%と16%、化学療法が行われたのは26%と24%だった。前治療を3回以上受けた患者は、併用群54%、プラセボ群53%だった。
 
 治療中止となったのは、併用群53%、プラセボ群71%で、最も多い理由は増悪だった。

 同試験は中間解析で主要評価項目が達成されたことが明らかになり、早期中止となった。各施設の試験担当医師の評価によるPFSの中央値は、併用群6.9カ月、プラセボ群2.8カ月で、ハザード比は0.43(95%CI:0.35〜0.54)となった(ログランク検定、p=1.4×10-15)。

 中央の放射線関連の独立審査委員会(independent central radiology review committee)の評価でもPFSに有意差が認められ、PFS中央値は併用群10.6カ月、プラセボ群4.1カ月、ハザード比は0.36だった(ログランク検定、p=3.3×10-15)。これらのPFSの結果は、さまざまなサブグループ解析においても一致した。
 
 奏効率は、併用群9.5%、プラセボ群0.4%だった(p<0.0001)。臨床的有効率は、併用群33.4%、プラセボ群18.0%だった(p<0.0001)。OS中央値は未到達である。
 
 有害事象はエベロリムスの過去の報告と一致し、多く観察されたグレード3以上の有害事象は、口内炎(併用群8%、プラセボ群1%)、貧血(5%、1%未満)、高血糖(4%、1%未満)、疲労感(3%、1%)、肺炎(3%、0%)などだった。
 
 Baselga氏は「今回得られた知見は、ホルモン受容体陽性乳癌患者の治療におけるパラダイムシフトを表すと考えられる」と話した。