ポリエチレングリコールを結合させ体内での滞留期間を延長させた顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であるPegfilgrastimKRN125)を、ドセタキセル、ドキソルビシン、シクロホスファミドを用いたレジメン(TAC)を受ける乳癌患者に投与する場合の日本人での投与量は3.6mgで十分であることが明らかとなった。海外の6.0mgとは異なる結果となった。国内オープンラベル多施設無作為化フェーズ2試験の結果示されたもの。成果は9月23日から27日までスウェーデンストックホルムで開催されたThe European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC2011)で、国立病院機構大阪医療センターの増田慎三氏によって発表された。

 フェーズ2試験はKRN125の量が異なる3群(1.8mg、3.6mg、6.0mg)でTAC療法を行った。TAC療法は6サイクルまで実施可能とした。TAC療法は1日目に行われ、2日目(少なくともTAC終了24時間後)にKRN125が投与された。TAC療法の内容は21日サイクルで1日目にドセタキセル75mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500mg/m2を投与した。ドセタキセルの後に残り2剤を投与した。主要評価項目は1サイクル目のTAC療法での重度好中球減少症(好中球数が1μLあたり500個未満)の期間で、重要な副次評価項目として発熱性好中球減少症の発症とした。

 試験の対象患者は、化学療法を受けたことがない20歳以上から65歳未満のII期またはIII期の浸潤性乳癌患者。2009年11月から2010年9月までに99人が登録され、各群29人の87人で投与が行われた。

 試験の結果、重度好中球減少症の期間は1.8mg群が2.2±0.9日、3.6mg群が1.5±0.9日、6.0mg群が1.4±0.7日で6.0mg群が最も短かった。しかし、用量反応解析をした結果、効果は3.6mgで水平状態になっていることが分かった。また発熱性好中球減少症や他の副作用の頻度は各群で差はなかった。