転移を有する進行大腸癌に対するファーストライン治療として化学療法+ベバシズマブが奏効した場合は、同治療で病勢安定だった場合と比べて、ベバシズマブによるメインテナンス療法によって無増悪生存期間(PFS)が延長することが、レトロスペクティブな解析から明らかとなった。9月23日からスウェーデン・ストックホルムで開催されたThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、イタリアUO Oncologia Medica AUSL ViterboのL. Moscetti氏が発表した。

 ファーストライン治療として化学療法とベバシズマブの併用が奏効した進行大腸癌に対するベバシズマブのメインテナンス療法の有効性については、エビデンスが十分ではない。

 そこで同グループは、進行までベバシズマブを投与するメインテナンス療法の無増悪生存期間(PFS)に対する効果を後ろ向きに解析した。

 対象は2005年から2010年までに1施設で継続して治療を受けた、転移を有する進行大腸癌患者220人。ファーストライン治療として化学療法+ベバシズマブ治療を受け、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)が得られた199人を解析対象とした。

 199人のうち、ベバシズマブのメインテナンス療法を受けていた117人(メインテナンス群)と受けていなかった82人(非メインテナンス群)の患者背景に特に差はなかった。ファーストライン治療の化学療法としてFOLFIRIを受けていたのは両群ともに7〜8割と最も多く、FOLFOXを受けていたのは両群1〜2割で、2群間に差は見られなかった。メインテナンス群でCRあるいはPRだったのは65%、非メインテナンス群でCRあるいはPRだったのは61%、メインテナンス群でSDだったのは35%、非メインテナンス群でSDだったのは39%だった。K-ras遺伝子が野生型だったのはメインテナンス群72%、非メインテナンス群54%だった。

 ベバシズマブのメインテナンス療法の投与回数中央値は7回(範囲:3-25回)で、メインテナンス療法の有無およびファーストライン治療に対する奏効の違いに分けてPFSの解析を行った。

 フォローアップ期間中央値18カ月(1-109)の解析の結果、PFSは非メインテナンス群8カ月に対してメインテナンス群13カ月と有意に延長していた。1年PFSについても、非メインテナンス群27.7%に対してメインテナンス群53.1%と有意に高かった。

 メインテナンス群のうち、ファーストライン治療でCR、PRが得られたグループの1年PFSは62.6%、PFS中央値は15カ月、SDだったグループは1年PFSが37.1%、PSF中央値は12カ月。非メインテナンス群のうち、CR、PRが得られたグループの1年PFSは33.7%、PFS中央値は10カ月、SDだったグループは1年PFSが37.3%、PFS中央値は8カ月だった。

 これらの結果から、同グループは、ファーストライン治療でCR、PRが得られた場合、非メインテナンス群に比べてメインテナンス群は有意にPFSが良く、ファーストライン治療でSDだった場合は、両群のPFSに差は見られなかったとした。そして現在進行中のランダム化フェーズ3試験が必要となるだろうと締めくくった。