腹膜播種を伴う胃癌を対象に、S-1パクリタキセル経静脈・腹腔内化学療法と、進行胃癌の標準治療であるS-1とシスプラチン併用療法を比較する無作為化フェーズ3試験が10月1日から開始されることが明らかになった。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されたEMCC2011で、東京大学腫瘍外科の石神浩徳氏らが発表した。

 フェーズ3試験(PHOENIX-gc)の対象は、肉眼的に腹膜播種が確認され、未治療もしくは2カ月以内の化学療法を受けた胃腺癌の患者。S-1とパクリタキセル経静脈・腹腔内化学療法の群と、S-1とシスプラチン併用療法の群に、患者を2対1の比率で無作為に割り付ける。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は治療成功期間(TTF)、奏効率、安全性。患者登録数は計180人を予定し、登録期間は2年、追跡期間は2年としている。

 S-1とパクリタキセル経静脈・腹腔内化学療法は、フェーズ1試験、フェーズ2試験で、その有効性が報告されている。今回の発表では、2005年から2011年までに治療した患者で、肉眼的に腹膜播種が認められた100人の治療成績も報告された。

 S-1は80mg/m2を第1日から第14日に投与し、続く7日間は休薬した。パクリタキセルは50mg/m2を第1日と第8日に静注し、さらにパクリタキセル20mg/m2を第1日と第8日に腹腔内投与した。
 
 年齢中央値は57歳(29-79歳)、前治療は胃切除が20人、化学療法が45人。肉眼的分類は4型が62人、その他が38人。腹膜播種はP1(近傍の腹膜に転移を認める)が9人、P2(遠隔腹膜に少数の転移を認める)が25人、P3(遠隔腹膜に多数の転移を認める)が66人だった。

 治療コース数の中央値は8コース(1-48コース)。主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少36%、白血球減少20%、貧血8%で、治療関連死はなかった。

 OSの中央値は22.6カ月(95%信頼区間:17.9-28.9カ月)。サブセット解析で、近傍の腹膜への転移のみの患者のOS中央値は49.6カ月、遠隔腹膜への転移のあった患者でも19.7カ月と良好だった。