根治切除を受けた日本人のIB期からIIIA期の非小細胞肺癌(NSCLC)患者に、術後補助化学療法としてゲムシタビンを投与する場合とUFTを投与する場合では、全生存期間(OS)、無病生存期間(PFS)に有意な差を示すことはできなかったことが明らかとなった。わが国で行われたフェーズ3試験、WJTOG0101の結果示されたもの。成果は9月23日から27日までスウェーデンストックホルムで開催されているThe European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC2011)で、愛知県がんセンター呼吸器外科の光冨徹哉氏によって発表された。

 NSCLCの術後補助化学療法としては、95年にメタアナリシスでシスプラチンベースの抗癌剤が生存に寄与することが報告されている。一方、I期からIII期のNSCLC患者の根治切除後の術後補助療法として、経口UFT単剤がCDDP/VDS/UFT投与よりも優れることが報告されている。またゲムシタビン単剤は、併用よりも少ない副作用で、併用と同等の効果を持ち、より強く長い臨床的効果がある。そのためWJTOG0101試験は、術後補助療法としてのゲムシタビンがUFTの効果を上回るかを検証するために行われた。

 WJTOG0101試験は2001年5月から2005年12月までに、根治切除を受けたIB期からIIIA期のNSCLC患者609人を無作為にゲムシタビン投与群(305人)とUFT投与群(304人)に割り付けた。ゲムシタビン群は3週間を1サイクルとして1日目と8日目にゲムシタビン1000mg/m2を投与し、計6サイクル行った。UFT群は毎日250mg/m2を1年間投与された。主要評価項目はOSで、副次評価項目はDFSと副作用だった。投薬を受けなかった患者がゲムシタビン群に1人、UFT群に7人おり、またUFT群では1人フォローアップができなかったことから、生存の解析にはゲムシタビン群305人、UFT群303人、安全性の評価にはゲムシタビン群293人、UFT群296人のデータが使われた。

 試験に参加した患者の背景にはほとんど差がなかった。肺全摘術を受けた患者の頻度はゲムシタビン群が2.6%、UFT群が8.6%とゲムシタビン群が有意に少なかった。ゲムシタビン群の患者の58%が6サイクルを完了し、UFT群の患者の投与期間中央値は343日だった。両レジメンともに一般的に忍容性が認められ、治療関連死はゲムシタビン群に1人認められた。

 5年OS率はゲムシタビン群が70%、UFT群が68%でハザード比0.948、p=0.343で有意な差はなかった。OS中央値はゲムシタビン群は未到達で、UFT群は108カ月だった。5年PFS率はゲムシタビン群が55%、UFT群が50%でハザード比0.916、p=0.222で有意な差はなかった。