再発膠芽腫に対するベバシズマブの投与は、6カ月無増悪生存(PFS)率が33.9%で、無増悪生存期間中央値が3.3カ月と、有効で忍容性が高いことが、日本のフェーズ2臨床試験であるJO22506試験の結果から示された。9月23日からスウェーデン・ストックホルムで開催されているThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、埼玉医科大学国際医療センターの松谷雅生氏が発表した。

 膠芽腫は脳腫瘍の中でも特に悪性度の高いもので、現時点では再発例に対する治療として確立したものはなく、予後が不良だ。海外では再発膠芽腫に対するベバシズマブ、あるいはベバシズマブ+イリノテカン投与により、6カ月PFSが42.6〜50.3%、PFS中央値が4.2〜5.6カ月という成績が得られている(BRAIN試験)。そこで松谷氏らは、日本人患者を対象に、ベバシズマブを使った再発膠芽腫に対するフェーズ2臨床試験を行った。

 対象は2009年8月〜2010年7月までに登録された、29例の再発膠芽腫患者と2例のWHOグレード3神経膠腫患者の計31例。17例は初回再発、12例は2回目の再発患者で、より進行した症例が含まれていた。ベバシズマブを10mg/kgで2週間ごとに進行まで繰り返し投与した。3レジメン以上の治療を受けていた患者は除外された。

 主要評価項目は独立評価機関による6カ月無増悪生存率で、副次評価項目はPFS、客観的奏効率、全生存期間とした。

 登録時患者背景は、年齢中央値が54.0歳(23-72歳)、男性比率が51.6%、カルノフスキー・パフォーマンス・ステータス(KPS)は、70〜80が38.7%、90〜100が61.3%、初回再発例が54.8%、2回目の再発例が45.2%。放射線治療からベバシズマブ投与までの期間は13.2カ月、登録時ステロイド使用例は35.5%だった。

 追跡の結果、再発膠芽腫(31例中29例)の6カ月無増悪生存率は33.9%(90%CI:19.2-48.5%)、PFS中央値は3.3カ月(95%CI:3.0-12.8カ月)だった。1年生存率は28.1%(90%CI:12.7-43.4%)、奏効率は27.6%(95%CI:12.7-47.2%)、生存期間中央値は10.5カ月(95%CI:8.2-11.8カ月)だった。病勢制御率は79.3%(95%CI:60.3-92.0%)。

 サブグループ解析では、年齢が65歳未満の6カ月PFSが42.1%で、65歳以上の6カ月PFS15.0%に比べて高く、KPSが90〜100では6カ月PFSは47.1%で、KPS 70〜80の6カ月PFS 16.7%に比べて高かった。初回再発例(6カ月PFS:46.3%)は2回目の再発例(6カ月PFS:16.7%)より効果が高く、登録時ステロイド不使用例(6カ月PFS:42.1%)はステロイド使用例(6カ月PFS:20.0%)よりも効果が高かった。

 対象者の41.9%にグレード3以上の有害事象が見られたが、ベバシズマブによると考えられる有害事象のうち、グレード3以上の有害事象は高血圧(9.7%)だった。ベバシズマブ投与中止につながる有害事象は頭蓋内出血と好中球減少の2例のみで、忍容性が高いと考えられた。

 今回得られた結果を、これまでの再発膠芽腫に対する種々の臨床試験の結果と比較すると、さまざまな治療を行っている試験での6カ月PFSはおよそ10〜20%だが、ベバシズマブを単独投与して評価したBRAIN試験では42.6%であり、JO22506試験の6カ月PFSは33.9%で、海外でベバシズマブを利用した場合と同等に日本人でも有効であると考えられた。