S-1、ロイコボリン、オキサリプラチンを併用するSOLレジメンは、mFOLFOXと比較して転移を有する進行大腸癌のファーストライン治療として有用で、忍容性も良好な可能性が無作為化フェーズ2試験から示された。SOLで治療した患者の無増悪生存期間(PFS)の中央値はmFOLFOXで治療した患者を上回り、同試験の主要評価項目が達成された。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されているThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、群馬県立がんセンターの尾嶋仁氏が発表した。

 SOLのフェーズ1試験では、推奨用量を投与した対象の患者6人全員で部分奏効が認められた。尾嶋氏らは、転移を有する進行大腸癌患者のファーストライン治療として、SOLとmFOLFOX6の有効性と安全性を比較する無作為化フェーズ2試験を実施した。

 主要評価項目は、独立検討委員会の評価による、実際に行われた治療に基づく(on treatment)PFSで、PFSの2カ月の延長またはハザード比が0.8となると予測された。副次的評価項目は、試験担当医師の評価による全体のPFS、奏効率(完全奏効+部分奏効)、安全性などだった。

 2008年7月から2009年7月までに日本の22施設から107人が登録され、このうち105人が適格と判断された。SOLで治療する群(SOL群)に56人(男性33人、年齢中央値60.5歳)、mFOLFOX6で治療する群(mFOLFOX群)に49人(同23人、61.0歳)が割り付けられた。

 SOL群では、S-1(40〜60mg)とロイコボリン(25mg)を1日2回で1週間、オキサリプラチン(85mg/m2)を1日目にそれぞれ投与し、2週間ごとに繰り返した。mFOLFOX群では、オキサリプラチン(85mg/m2)とl-ロイコボリン(200mg/m2)と5-FU(400mg/m2)を1日目に、続いて5FU(2400mg/m2、46時間かけて持続静注)を投与し、2週間ごとに繰り返した。
 
 主要解析についてのカットオフ日は2010年3月31日だった。on treatmentのPFSの中央値は、SOL群9.6カ月、mFOLFOX6群6.9カ月で、ハザード比は0.83(95%CI:0.49〜1.40)となり(p=0.488)、予測された主要評価項目が達成された。
 
 全体のPFSについては、中央値はSOL群9.8カ月、mFOLFOX6群6.9カ月、ハザード比は0.79だった(p=0.305)。
 
 奏効率は、SOL群55.4%、mFOLFOX6群53.1%となった。奏効に安定状態を加えた病勢コントロール率は、SOL群92.9%、mFOLFOX6群85.7%だった。最初の奏効までの期間の中央値はそれぞれ43.0日と78.0日で、SOL群で早期に腫瘍の縮小が認められた(p=0.025)。
 
 追跡期間が14カ月の時点では、全生存期間(OS)の中央値には未到達だったが、SOL群のmFOLFOX6群に対する調整ハザード比は0.59となった。
 
 グレード3以上の有害反応の発現率をSOL群とmFOLFOX6群で比較すると、好中球減少は19.6%と41.2%、リンパ球減少は14.3%と5.9%、感覚性ニューロパチーは19.6%と2.0%、食欲不振は12.5%と7.8%、疲労感は10.7%と5.9%、下痢は10.7%と3.9%だった。
 
 同試験と、SOLレジメンにベバシズマブを加えたSOLA試験(フェーズ2)の生存期間の結果については、2012年のASCO GIに提出されているという。