症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)において、Alpharadin(塩化ラジウム223)投与群はプラセボ群と比べ、有意に全生存期間(OS)を延長することが、Alpharadinのフェーズ3臨床試験であるALSYMPCA試験の結果から示された。プラセボ群のOSが11.2カ月だったのに対して、Alpharadin群は14.0カ月だった。9月23日からスウェーデン・ストックホルムで開催されているThe 2011 European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC)で、英国Royal Marsden HospitalのChris Parker氏が発表した。

 Alpharadinは、骨転移を有する癌患者の治療を目的として開発中のアルファ線放射性医薬品。カルシウム類似作用をもつアルファ線放出核種の化合物だ。骨転移を有するCRPCの患者を対象としたフェーズ2試験で、全生存期間を4.5カ月延長することが明らかとなっている。

 ALSYMPCA試験の対象は、2個以上の骨転移巣を有し、他臓器には転移がない、症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者。ドセタキセル投与例とドセタキセル不使用例のいずれの場合も含めた。計922例が登録され、標準療法に加えてalpharadin(50kBq/kg)を投与する群と標準療法+プラセボの群の2群に割り付けた。alpharadinおよびプラセボは4週ごとに6回投与とした。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目は骨関連事象(SRE)発現までの時間、前立腺癌特異抗原(PSA)およびアルカリホスファターゼ(ALP)値の変化と増悪までの期間、安全性など。

 本試験は試験途中でAlpharadinの有効性が確認されたため中断しており、中間解析の対象となった809例が解析された。Alpharadin群541例、プラセボ群268例だった。

 登録時患者背景は、平均年齢は両群ともに70歳、登録時のECOGスコアは1以下が両群ともに約85%、転移巣が6個未満はAlpharadin群16%、プラセボ群12%、6〜12個はAlpharadin群44%、プラセボ群48%、20個以上が両群ともに40%だった。WHOラダーによる痛みのインデックスが2以上だった症例は両群ともに約54%だった。Hb値は両群ともに約12で、PSA値はAlpharadin群159μg/L、プラセボ群195μg/Lだった。

 中間解析の時点でのalpharadinを6回投与されたのは約50%で、1〜5回投与された症例がそれぞれ約10%程度ずつだった。

 追跡の結果、OS中央値はプラセボ群が11.2カ月だったのに対してAlpharadin群は14カ月でハザード比0.695(95%CI:0.552-0.875、p=0.00185)と、Aplharadin群で有意に延長していた。

 副次評価項目である骨関連事象(SRE)の発症までの期間は、プラセボ群8.4カ月に対し、Alpharadin群13.6カ月で、ハザード比0.610(95%CI:0.461-0.807、p=0.000046)と、Alpharadin群で有意に延長していた。

 アルカリホスファターゼ変化(30%減少)については、プラセボ群が3%だったのに対してAlpharadin群43%と有意に多かった。PSA進行までの期間の改善についてもハザード比0.671(p=0.00015)と有意にAlpharadin群で良好だった。

 安全性と忍容性については、安全性評価の対象となった762例(Alpharadin群509例、プラセボ群253例)のうち、最もよく見られた非血液学的有害事象は、骨痛がプラセボ群58%(うちグレード3〜4が23%)に対してAlpharadin群43%(うちグレード3〜4が18%)、悪心がプラセボ群32%に対してAlpharadin群34%、下痢がプラセボ群13%に対してAlpharadin群22%、便秘がプラセボ群18%に対してAlpharadin群18%、嘔吐がプラセボ群13%に対してAlpharadin群17%だった。血液学的有害事象については、貧血がプラセボ群、Alpharadin群ともに27%と差は見られなかった。