10月8日から10月12日まで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)では、好結果の試験も少なくなかったが、主要評価項目が達成できなかった試験も多かったのが目立った。

 その中で、今後議論すべき項目として挙がってきたのは、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)のデータの取り扱いだ。たとえば肺癌分野で大きな試験であったゲフィチニブを使ったIPASS試験、BIBW2992のLUX-LUNG1試験など、PFSで大きく差が付きながら、主要評価項目であるOSでは差がつかないという試験が複数あった。

 これについては、試験終了後のクロスオーバーの結果、両群の患者で差が生じなかったと考えられる。薬剤の強さが強力であればあるほど、その傾向は強くなるはずだ。むろん、後治療なしという条件でOSを比較すれば正確にOSに対する効果は測定できるだろうが、倫理的には困難だろう。OSによる評価が本当に妥当なのか、その結果、本来有効性の高い薬剤を失ってはいないか、真剣に議論する機会が来たといえよう。

 日本勢に関してはうれしいことがあった。山形大学の冨田善彦氏のアキシチニブに関する発表がBest Poster Awardに選ばれ、ESMO Daily Newsに掲載されたことだ。日本の臨床試験が欧州で高評価を受けることは稀であり、とても喜ばしいことだ。

 来年のESMOはECCO(欧州癌学会)との共催で、9月23日から27日までストックホルムで開催される。