ドセタキセルベースの化学療法が無効となった去勢抵抗性の転移性前立腺癌患者において、アンドロゲン合成阻害剤の酢酸アビラテロンの投与により、全生存期間(OS)、前立腺特異抗原(PSA)値が上昇するまでの時間(time to PSA progression;TTPP)、放射線学的な解析によるPFS(radiographic PFS;rPFS)、PSA値における奏効率が、いずれも有意に改善したことが、フェーズ3の無作為化試験(COU-AA-301)の結果から示された。10月8日から12日にかけてイタリア・ミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、英Royal Marsden Foundation Trust/The Institute of Cancer ResearchのJohann de Bono氏が発表した。

 酢酸アビラテロンは、CYP17を選択的に遮断し、強力に持続性のアンドロゲン合成(persistent androgen synthesis;PAS)を阻害する。

 de Bono氏らは、PASとアンドロゲン受容体のシグナル伝達を阻害することで、去勢抵抗性の転移性前立腺癌患者のOSを改善することができるかを検証するため、 フェーズ3の二重盲検プラセボ対照試験、COU-AA-301試験を実施した。

 対象は、13カ国の147施設から参加した、ドセタキセルベースの化学療法の治療歴がある去勢抵抗性の転移性前立腺癌患者1195人。経口で酢酸アビラテロンを1日1回1000mg、プレドニゾン5mgを1日2回投与する群(797人、以下「AA群」)と、プラセボとプレドニゾンを投与する群(398人、同「プラセボ群」)に、患者を2対1に無作為に割り付けた。

 両群の年齢中央値はいずれも69歳で、人種、ECOG PS2の患者の割合、強度の疼痛がある患者の割合も同様だった。前治療を2回受けた患者は、AA群28.2%、プラセボ群28.4%だった。

 骨転移、リンパ節転移、肺転移、肝転移がある患者の割合は、AA群で89.2%、45.4%、13.0%、11.3%、プラセボ群で90.4%、41.5%、11.4%、7.6%だった。PSA値の中央値は、AA群128.8ng/mL、プラセボ群137.7ng/mLだった。

 主要評価項目はOS、副次的評価項目はTTPP、rPFS、PSA値における奏効率とした。

 OSの中央値は、AA群14.8カ月、プラセボ群10.9カ月で、ハザード比(HR)は0.646となり、AA群で有意に改善した(p<0.0001)。前治療で化学療法を2回受けた患者では、AA群14.0カ月、プラセボ群10.3カ月、化学療法を1回受けた患者では15.4カ月、プラセボ群11.5カ月となった。

 TTPPは、AA群10.2カ月、プラセボ群6.6カ月で、HRは0.58となり、有意に改善した(p<0.0001)。またrPFSは、AA群5.6カ月、プラセボ群3.6カ月で、HRは0.67となり、こちらも有意に改善した(p<0.0001)。さらにPSAにおける奏効率も、AA群38.0%、プラセボ群10.1%で、有意に改善した(p<0.0001)。

 全グレードの有害事象はAA群で98.9%、プラセボ群で99%に発現し、グレード3以上の有害事象は54.5%と58.4%だった。グレード3以上の有害事象による治療中止は、AA群10.5%、プラセボ群13.5%となった。有害事象による死亡は、AA群11.6%、プラセボ群14.7%だった。

 AA群で多く観察された有害事象は、体液貯留、低カリウム血症、肝機能異常、高血圧であったが、グレード3以上はいずれも5%未満だった。