進行性非小細胞肺癌の初回治療として、ゲムシタビンとシスプラチンへのソラフェニブの追加で、無増悪生存期間が延長し、新たな毒性も出現しないことがフェーズ3試験(NExUS)で明らかになった。ただし全生存期間の延長は認められなかった。ドイツHospital Grosshansdorf のU. Gatzemeier氏らが、10月8日から12日にイタリアのミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 NExUS試験は、多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、ステージ3B/4の非小細胞肺癌を対象に、ゲムシタビンとシスプラチンに加えソラフェニブを投与する群(ソラフェニブ投与群)と、ゲムシタビンとシスプラチン、プラセボを投与する群(GC群)が比較された。

 治療は、3週置きに、ゲムシタビン1250mg/m2を第1日と8日に、シスプラチン75mg/m2を第1日に投与し、加えてソラフェニブ400mg1日2回もしくはプラセボを3週間投与した。6サイクルまで継続し、その後は、ソラフェニブ投与群にはソラフェニブのみを、GC群にはプラセボのみを投与した。

 なお、非小細胞肺癌患者を対象に、カルボプラチンとパクリタキセルの2剤併用と、加えてソラフェニブを投与する3剤併用を比較したフェーズ3のESCAPE試験で、肺扁平上皮癌のサブグループにおいて、2剤併用群に比べて3剤併用群の生存期間が短いことが明らかになった。

 この結果を受け、2008年2月以降、NExUS試験では扁平上皮癌の患者は除外した。登録患者904人のうち、132人が扁平上皮癌であったため、772人に対して有効性を解析し、769人で安全性を検討した。

 主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、ソラフェニブ投与群では376日、GC群は379日で、ソラフェニブ追加による改善はなかった(ハザード比0.98、95%信頼区間 0.83-1.16、p=0.401)。

 しかし無増悪生存期間(PFS)は、それぞれ183日、168日(ハザード比0.83、95%信頼区間 0.71-0.97、p=0.008)と有意な延長が認められた。また無増悪期間(TTP)と奏効期間もソラフェニブの追加で延長した。

 ただし扁平上皮癌では、OS中央値がソラフェニブ投与群で254日、GC群で374日、PFS中央値はそれぞれ167日、168日と、PFSでも扁平上皮癌ではソラフェニブ追加による延長はなかった。

 なお増悪後、別の治療を受けた患者はソラフェニブ投与群で54.8%、GC群で63%を占め、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤やタキサン系抗癌剤、ペメトレキセド、プラチナベースの化学療法が投与されていた。

 主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少、発熱性好中球減少、貧血、血小板減少、白血球減少、感染症、皮疹、手足症候群などで、新たな有害事象はなかった。

 これらの結果から、「非小細胞肺癌非扁平上皮癌の治療に関し、チロシンキナーゼ阻害剤の臨床試験では注意深い患者選択が必要であろう」とGatzemeier氏は述べた。