新たに診断された上皮性卵巣癌(EOC)、原発性腹膜癌(PPC)、卵管癌(FTC)の患者に対し、カルボプラチンとパクリタキセルの標準化学療法にベバシズマブを併用し、その後維持療法に使用することで、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが、Gynaecologic Cancer InterGroup(GCIG)の大規模なフェーズ3試験(ICON7)の結果から示された。10月8日から12日にかけてイタリア・ミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、英Leeds Teaching Hospitals NHS TrustのTim Perren氏が発表した。

 卵巣癌には手術や白金系抗癌剤ベースの化学療法が有効であるが、最終的には半数以上の患者がこの癌により死亡する。卵巣癌の進行には血管新生が中心的な役割を果たす。

 ICON7試験の対象は、2006年12月〜2009年2月に登録された、EOC、PPC、FTCの患者1528人。腫瘍減量手術を行い、その後は進行(PD)まで同手術の予定がなく、国際産婦人科連合(FIGO)の病期分類でステージIまたはIIの高リスク、またはステージIIB〜IVの進行性の患者とした。カルボプラチンとパクリタキセルの併用群と、この併用にベバシズマブを追加し維持療法を行う群(ベバシズマブ群)に、1対1で無作為に割り付けた。

 両群の患者背景は同様で、年齢中央値はいずれも57歳だった。ステージI/IIAの患者の割合は併用群10%、ベバシズマブ群9%、IIB〜IIIBは併用群21%、ベバシズマブ群20%、IIIC/IVは併用群69%、ベバシズマブ群71%だった。組織学的な内訳やECOG PSも、両群で同様であった。

 併用群では、カルボプラチンはAUC6で、パクリタキセルは175mg/m2で3週毎に投与した。ベバシズマブ群では、この併用療法に併用してベバシズマブ7.5mg/kgの3週毎の投与を6サイクル行い、その後は維持療法としてベバシズマブを3週毎に12サイクル投与、またはPDとなるまで投与した。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、毒性とした。

 フォローアップ期間の中央値は19.4カ月となった。2人は治療継続中、759人は死亡またはPDとなった。この759人についてのPFSの中央値は、併用群17.3カ月、ベバシズマブ群19.0カ月で、ハザード比(HR)は0.81となり、ベバシズマブを追加することで有意に延長した(p=0.0041)。12カ月時のPFSの平均絶対偏差は15.1%となった。

 ステージIIIおよびIVの患者では、PFSの中央値は併用群10.5カ月、ベバシズマブ15.9カ月で、HRは0.68となった(p<0.001)。進行性であるほど、ベバシズマブの追加によりPFSが改善する可能性が示された。

 また予備的なOSの解析では、1年OSは、併用群93%、ベバシズマブ群95%で、HR 0.81となった(p=0.0098)。

 全グレードの有害事象については、ベバシズマブ群で多く発現したのは出血(39.6%)、好中球減少(28.3%)、高血圧(25.9%)で、併用群では好中球減少(29.1%)、出血(11.6%)、血小板減少(9.2%)の順に多かった。

 グレード3以上の有害事象では、ベバシズマブ群では高血圧(18.3%)と好中球減少(16.5%)が多く発現し、併用群ではこれらの発現は15.1%と2.1%だった。ベバシズマブの追加に関し、新たな有害事象は観察されなかった。

 さらに長期的なPFS、OS、トランスレーショナルリサーチの結果は、2012年に得られる予定だ。

 Perren氏は「ICON7は、卵巣癌に対する大規模なフェーズ3試験でポジティブな結果が得られた第二の試験である。今回の結果は、今後の治療方針と臨床試験に影響を与えるものと考える」と話した。