EGFR/HER-1、HER-2、HER-4を標的とする不可逆的阻害剤PF-299(PF299804)は、進行性非小細胞肺癌患者で抗腫瘍効果が見られ、4カ月の無増悪生存率はEGFR変異陽性患者で90%を超えることが明らかになった。中国The Chinese University of Hong KongのTony S. K. Mok氏らが、10月8日から12日にイタリアのミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 PF-299は前臨床試験で、L858R変異やT790M変異に対し、ゲフィチニブよりも抗腫瘍効果が高いことが示されている。またフェーズ1試験ではL858R変異とT790M変異のある腺癌日本人女性で、腫瘍縮小が確認された。

 対象は、非喫煙もしくは軽度の喫煙経験者で、アジア人もしくはKRAS野生型の非アジア人、またはEGFR変異の状態がわかっている非小細胞肺癌患者で、さらに化学療法による治療歴がなく、腺癌、ECOG PS 0/1の患者とした。治療はPF299を30mgもしくは45mg/日投与した。主要評価項目は4カ月時点の無増悪生存(PFS)率とし、副次評価項目はPFS、全生存期間、奏効率、安全性とした。

 試験には、2009年3月から2010年5月までに、米国17施設の30人、アジアの8施設から44人が登録された。PF299の初回用量が30mg/日だった患者は14人、45mg/日は60人。アジア人が62%を占め、非喫煙者は80%、EGFR変異陽性は34人(46%)で、このうちエクソン19欠失とエクソン21は各15人(20%)、エクソン18は1人(1%)、エクソン18かつエクソン20挿入変異も1人(1%)、エクソン20挿入のみが2人(3%)だった。

 2010年7月28日時点で、71人における奏効率は42%(95%信頼区間 31-55)、エクソン19欠失変異もしくはエクソン21のL858R変異の患者27人では59%(同39-78)、EGFR変異陽性の33人では55%(同36-72)だった。多くの患者で腫瘍縮小が認められ、病勢制御率(CR+PR+SD)はそれぞれ86%、96%、94%だった。

 2010年7月28日までに、全体では20人(27%)で増悪が見られ、EGFR変異のある34人のうち4人(12%)で増悪が見られた。PFS中央値は9.6カ月、4カ月のPFS率は全体では78%(95%信頼区間 64-87)、エクソン19欠失もしくはL858Rの患者では96%(同74-99)、EGFR変異陽性全体では92%(同71-98)だった。また6カ月のPFS率はそれぞれ73%、90%、82%、9カ月のPFS率はそれぞれ62%、90%、82%だった。

 主な有害事象は下痢、皮疹、口内炎、手足症候群で、グレード4/5の治療有害事象はなかった。初回用量45mgの59人ではグレード3の下痢とざ瘡様皮膚炎が各9人、口内炎と手足症候群が各2人だが、初回用量30mgの13人ではグレード3の有害事象はなかった。

 初回用量が45mgだった患者の36%で減量し、皮膚毒性による減量が13件、口内炎による減量が7件だった。初回用量45mgの患者1人は、グレード3のトランスアミナーゼ上昇のため治療を中止した。30mgで開始した患者では減量はなく、13人のうち1人は45mgに増量した。