サイトカイン難治性の日本人転移性腎細胞癌患者にアキシチニブが有効であることが、日本で行われたフェーズ2試験の結果から明らかとなった。また、日本人においては蛋白尿の発現は投薬前のベースラインのレベルと関連する可能性が示され、拡張期血圧、血中可溶性VEGFR-2濃度が有効性に関連したバイオマーカーになる可能性も明らかとなった。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、山形大学医学部教授の冨田善彦氏によって発表された。

 試験では64人(うち男性44人)の転移性腎細胞癌患者が連日5mgのアキシチニブの1日2回投与を受けた。被験者の年齢中央値は63歳だった。

 フェーズ2試験の結果、奏効率は55%で安定状態(SD)を加えた疾患制御率は95%だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は12.0カ月(95%信頼区間 9.2-14.8)となった。多く見られた副作用は高血圧(84%)、手足症候群(75%)、下痢(64%)などだった。蛋白尿も58%の患者で認められ、18人の患者で治療中に24時間蛋白尿の量が2g以上となり減量や投薬の中断が行われた。手足症候群、蛋白尿は欧米の試験よりも多い傾向があった。

 蛋白量が2g異常になることと投薬前のベースラインの蛋白尿のレベル(−、+/−、1+、2+)との間には相関関係があった。ベースラインのレベルが1+以上だと蛋白尿のハザード比は5.457(95%信頼区間 1.749-17.029)、p=0.0035で他の腎機能関連因子よりも相関性が高かった。

 88%の患者で投薬中に甲状腺刺激ホルモンの上昇が見られた。50%の患者が甲状腺ホルモン補充療法を受けた。

 2サイクル目の1日目までにベースラインから拡張期血圧が1度でも90mmHg以上になった患者のPFS中央値は13.0カ月、90mmHg未満だった患者は9.8カ月、p=0.0267で拡張期血圧は効果と関連するバイオマーカーである可能性が示された。

 被験者の血中可溶性VEGFR-2濃度のベースラインから2サイクル目の1日目までの変化の中央値である−33.5%未満だった患者のPFS中央値は14.8カ月、−33.5%以上だった患者は9.2カ月、p=0.0039で血中可溶性VEGFR-2濃度は効果の予測因子となる可能性が示された。