進行性非小細胞肺癌の初回治療としてゲフィチニブとカルボプラチン/パクリタキセルを比較したフェーズ3試験IPASSで、全生存期間には有意な差が認められないことが最終結果で確認された。台湾National Taiwan University HospitalのChin-Hsin James Yang氏らが、10月8日から12日にイタリアのミラノで開催された第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。有意差がなかったことについて、患者の大半で後治療が行われており、後治療が影響した可能性があるとYang氏は話した。

 IPASS(IRESSA Pan-Asian Study)試験は、化学療法による治療歴がなく、非喫煙もしくは軽度の喫煙経験者で、腺癌のステージ3B/4期のアジア人非小細胞肺癌患者を対象に、ゲフィチニブを投与する群(609人)とカルボプラチンとパクリタキセルを併用投与する群(608人、C/P群)を比較した。

 全体で954人(78%)が死亡した。全生存期間(OS) 中央値はゲフィチニブ群が18.8カ月、C/P群が17.4カ月で、ハザード比0.90(95%信頼区間 0.79-1.02)、p=0.109で、有意な違いは見られなかった。

 この結果はサブグループでも同じで、EGFR変異陽性の患者では、ゲフィチニブ群のOS中央値は21.6カ月、C/P群は21.9カ月(ハザード比1.00、95%信頼区間 0.76-1.33、p=0.990)で有意な差がなかった。 EGFR変異陰性ではそれぞれ11.2カ月、12.7カ月だった(ハザード比1.18、95%信頼区間 0.86-1.63、p=0.309)。

 後治療を受けていなかった患者はゲフィチニブ群で31%、C/P群では38%だった。化学療法による後治療を受けていたのはゲフィチブ群で65%、C/P群は41%で、ゲフィチブ群の60%がプラチナベースの化学療法を、49%がカルボプラチン/パクリタキセルの投与を受けていた。またEGFRチロシンキナーゼ阻害剤による後治療を、ゲフィチブ群の20%、C/P群の52%の患者が受けており、C/P群の41%がゲフィチニブによる後治療を受けていた。

 重篤な有害事象(SAE)はゲフィチニブ群で18.1%、治療関連のSAEは3.8%で、重篤な間質肺疾患は1.5%だった。また死亡につながった治療関連SAEは0.7%だった。

 IPASS試験では、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、ゲフィチニブ群がC/P群に比べて優れていた。Yang氏は、「非小細胞肺癌の初回治療における治療効果を評価する上で、後治療の影響がないと考えられるPFSのほうがOSよりも適切なエンドポイントだろう」と述べた。