上皮増殖因子受容体(EGFR)とHER-2受容体の両方のチロシンキナーゼを不可逆的に阻害するafatinibBIBW2992)が、化学治療で進行し、エルロチニブまたはゲフィチニブを投薬されても病状が進行した非小細胞肺癌患者の無増悪生存期間(PFS)をプラセボ群の3倍にできることが明らかとなった。フェーズ2B/3試験LUX-LUNG1の結果示されたもの。ただし全生存期間(OS)の延長効果は認められなかった。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのV.A.Miller氏によって発表された。

 日本では、afatinibの1日1回経口連続投与でのオープンフェーズ1/2試験LUX-Lung4が実施されている。進行非小細胞肺癌患者を対象としたフェーズ1試験とエルロチニブ/ゲフィチニブ耐性の非小細胞肺癌患者を対象としたフェーズ2試験だ。

 LUX-LUNG1試験は、3B/4期の非小細胞肺腺癌で、1から2種類の化学療法の経験があり、エルロチニブまたはゲフィチニブを投薬されても12週以上増悪となった患者を、afatinib連日50mg投与と対症療法(BSC)を行う群と、プラセボとBSCを行う群に2対1で割り付けて行われた。2008年5月から2009年9月までにafatinib群に390人、プラセボ群に195人が割り付けられた。

 主要評価項目であったOSはafatinib群が中央値10.78カ月に対してプラセボ群が11.96カ月となり、ハザード比1.077(95%信頼区間 0.862-1.346)と改善は認められなかった。しかし副次評価項目であったPFSは、afatinib群が3.3カ月、プラセボ群が1.1カ月となり、ハザード比0.38(95%信頼区間 0.306-0.475)、p<0.0001で有意に延長していた。奏効率も独立した委員会による評価でafatinib群が13%(確認PRは7%)、プラセボ群が0.5%と有意(p<0.01)にafatinib群の方が良かった。8週以上の安定状態(SD)が得られた患者はafatinib群は51%、プラセボ群は18%だった。

 また、患者によるQOLの評価で、afatinib群で咳、呼吸困難、疼痛が有意に改善していた。

 なお増悪後に化学療法を受けたのはafatinib群が61%に対してプラセボ群が70%、EGFR-TKIの投与を受けたのはafatinib群が12%に対してプラセボ群が24%とどちらもプラセボ群の方が多かった。

 一方、副作用は、afatinib群で多く発現したのは87%の患者に起きた下痢(グレード3は17%)と79%の患者で起きた皮疹/座瘡(グレード3は14%)だった。