日本人のステージ2、3の胃癌を治癒切除(D2郭清)したあと、S-1を術後補助療法として1年間投薬すると、5年後の全生存率はS-1を投薬しなかった群に比べて有意に優れることが明らかとなった。1059名の患者を対象に、手術のみの群と手術後S-1を服薬する群に無作為に割り付けて比較するフェーズ3試験、ACTS-GC試験の5年間観察結果によって示されたもの。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、兵庫医科大学主任教授の笹子三津留氏らによって発表された。

 ACTS-GC試験では、2001年10月から2004年12月までに、手術後45日以内に529人がS-1投与群に、530人が手術のみ群に割り付けられた。S-1群に割り付けられた患者は、体表面積に応じて1日あたり80mgから120mgを4週間投薬して2週間休薬する方法で1年間投与が行われた。S-1群の投与完遂率は65.8%だった。患者背景は両群間で差はなかった。2007年に論文発表された中間解析の結果では、3年全生存率はS-1群が80.1%、手術のみ群は70.1%、ハザード比0.68(95%信頼区間 0.52-0.87)だった。3年無再発生存率はS-1群が72.2%、手術のみ群は59.6%、ハザード比0.62(95%信頼区間 0.50-0.77)だった。

 今回発表された5年全生存率は、S-1群が71.7%、手術のみ群は61.1%でハザード比は0.669(95%信頼区間 0.540-0.828)と有意にS-1群の生存率が高かった。再発はS-1群で162人(30.6%)、手術のみ群で221人(41.7%)に認められた。5年無再発生存率はS-1群で65.4%、手術のみ群で53.1%となり、ハザード比0.653(95%信頼区間 0.537-0.793)と、再発のリスクも有意にS-1群で低下していた。

 今回の結果を受けて研究グループは、D2郭清手術を受けたステージ2/3の胃癌患者に術後1年間S-1を投与することが標準療法であることが再確認されたとしている。