上皮細胞成長因子受容体(EGFR)とヒト上皮細胞成長因子受容体2(HER2)の2つのチロシンキナーゼを不可逆的に阻害するBIBW2992afatinib)は、EGFR変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)で、ファーストライン治療とセカンドライン治療の患者、del19とL858Rの変異を有する患者の間で同様に有効であることが、フェーズ2試験(LUX-Lung2)の結果から明らかになった。10月8日から12日にかけてイタリア・ミラノで開催されている第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、台湾のNational Taiwan University HospitalのChih-Hsin Yang氏が発表した。

 LUX-Lung2試験では、ステージ3B/4の肺腺癌で、exon18〜21にEGFR変異を認め、化学療法未治療またはファーストラインの化学療法施行後に進行を認めた患者461人中、129人(台湾104人、米国25人)にafatinibを投与した。

 主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)や臨床上の有用性などで、試験は2段階のデザインとし、最初に40人の患者で検証し、16人以上に完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が認められた場合、化学療法未治療の患者も対象に含めることとした。

 afatinibの投与がファーストライン治療だった患者は61人(うち男性21人、年齢中央値62歳)、セカンドライン治療だった患者は68人(同33人、61歳)だった。del19とL858Rの変異を有する患者は、ファーストライン治療群で29人と22人、セカンドライン治療群で23人と32人だった。

 afatinibは1日1回、50mgまたは40mgの用量で病勢進行(PD)まで投与した。有害事象発生時は、開始用量が50mgの場合は40mgまたは30mgに、開始用量が40mgの場合は30mgまたは20mgに減量可能とした。奏効は4、8、12週の時点で評価し、その後は8週ごとに評価した。画像は中央で再検討することとした。

 8月18日の時点で、ファーストライン治療群の31人とセカンドライン治療群の16人が治療を継続しており、治療継続期間は34カ月だった。

 ORRは61%、病勢コントロール率(DCR)は86%となった。PFSの中央値は14カ月、全生存期間(OS)の中央値は24カ月だった。各試験担当医師の評価と中央の再検討の結果はほぼ同様であった。

 del19またはL858Rの変異を有する患者のORRは65%、DCRは88%、PFSの中央値は15カ月だった。

 ファーストライン治療群とセカンドライン治療群、del19の変異とL858Rの変異を有する患者の間の有効性は同様であった。PFSの中央値は、ファーストライン治療群13.9カ月、セカンドライン治療群10.5カ月で、del19の変異を有する患者では14.6カ月、L858Rの変異を有する患者では16.0カ月だった。

 薬剤に関する有害事象は128人で報告された。他のEGFR-チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と同様に、最も多かったのは下痢と皮膚障害だった。開始用量が50mgの患者では66%が40mgに、さらにその約半数が30mgに減量し、開始用量が40mgの患者では37%が30mgに減量した。薬剤関連性の有害事象で投与の継続が困難となったのは患者の10%だった。薬剤関連性の間質性肺炎様の事象の発現は、グレード1が2人、グレード3が1人、死亡が1人であった。

 化学療法未治療のEGFR変異を有するNSCLC患者を対象として、 afatinibの40mgの投与と化学療法を比較する2つのフェーズ3試験(LUX-Lung3、LUX-Lung6)がすでに開始されている。