手術不能肝細胞癌(HCC)に対する実臨床でのソラフェニブの投与を追跡するGIDEON試験の最初の中間解析の結果、安全性プロファイルは臨床試験で見られたものと同様で、予想外の副作用は見出されなかった。効果は、予備的な解析ではあるが、予想通り全体でもサブグループに分けても有効な傾向が見られた。治療歴については地域による差が認められた。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、イタリアPisa University School of MedicineのRiccardo Lencioni氏によって発表された。

 GIDEON試験は、40カ国超、400カ所超の施設で、実臨床で行われている患者の背景、HCCに対する治療、安全性、有効性を調べる試験。今回の解析では140施設で登録された患者のうち、安全性について479人、効果については503人のデータが用いられた。

 効果については予備的な解析であるため、予想通りで全体でもサブグループに分けてもソラフェニブが有効な傾向があるとするにとどまった。

 安全性に使われた479人を地域別に分けると、アジアパシフィックは167人、欧州が143人、米国116人、ラテンアメリカ32人、日本人21人だった。アジアパシフィック地域の患者は他の地域よりも病状が進行している患者が多かった。またアジアパシフィックの患者はB型肝炎による癌が他の地域より多く、他の地域はC型肝炎によるものが多かった。欧州と米国ではアルコール性肝炎による患者も多かった。

 局所治療歴は、地域によりバラつきがあり、手術不能肝細胞癌に対する世界標準が決まっていないことを示すものだとされた。肝動脈化学塞栓療法(TACE)が最も一般的に行われている局所療法だが、アジアパシフフィックと日本では5回以上TACEを受けている患者の割合が高かった。

 安全性では、Child-PughBの患者でも、副作用プロファイルは患者全体の副作用プロファイルと同様だった。ソラフェニブに関連した副作用は67%、重篤な副作用は11%に認められた。多く見られた副作用は、手足症候群(26%)、下痢(24%)、皮疹/落屑(13%)、倦怠感(11%)、食欲不振(8%)、高血圧(6%)、脱毛(6%)、吐き気(5%)だった。ソラフェニブに関連した副作用の多くはグレード1または2だった。