転移性大腸癌に対してイリノテカンとS-1を併用するIRIS療法に抗血管内皮成長因子抗体ベバシズマブを併用することが高い有効性を持つ可能性が明らかとなった。国内で行われたフェーズ2試験の最終解析で、高い抗腫瘍効果が確認されたもの。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、北海道大学医学部の小松嘉人氏によって発表された。

 このフェーズ2試験は2007年10月から2009年3月までに国内の9施設で行われ、53人の患者が登録された。1人の患者が治療を拒否したため、52人のデータが解析された。患者の年齢中央値は63.5歳(48〜82歳)で、全身状態は全員がPS0だった。

 1サイクルを4週間として、1日目と15日目にイリノテカン100mg/m2とベバシズマブ5mg/kgを投与し、S-1は1日目から14日目まで体表面積に応じて40mgから60mgを1日2回投与した。

 試験の結果、抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)が28人、安定状態(SD)が17人、評価不能が5人で、増悪(PD)は0人だった。奏効率は57.7%(95%信頼区間 43.2-71.3)、SDを加えた疾患制御率は90.4%にまで到達した。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は16.7カ月(95%信頼区間 13.1-18.7)となった。全生存期間中央値は未到達だ。

 一方安全性については、グレード4は好中球減少症が3例出ただけだった。グレード3以上で多かった副作用は好中球減少症(27%)、高血圧(21%)下痢(17%)、貧血(12%)だった。