ARQ197エルロチニブの併用療法は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤の治療歴のない非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し、セカンドラインとサードラインの治療において忍容性は良好で、統計学的な有意差はないものの無増悪生存期間(PFS)を延長することが、フェーズ2 試験の最終結果から示された。10月8日から12日にかけてイタリア・ミラノで開催されている第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、米Massachusetts General Hospital Cancer CenterのL.V. Sequist氏が発表した。

 ARQ197は受容体型チロシンキナーゼのc-METを選択的に阻害する。フェーズ1試験ではARQ197とEGFR阻害剤エルロチニブによる併用療法の安全性が示され、進行性のNSCLC患者における活性が示唆された。

 EGFRとMETを二重に阻害することで、METが介在するEGFR阻害剤への抵抗性を克服することができると考えられる。

 Sequist氏らは、化学療法の治療歴はあるがEGFR阻害剤の治療歴はない、切除不能な局所進行性または転移性のNSCLC患者を対象として、エルロチニブとARQ197の併用療法(E+A群)とエルロチニブとプラセボの投与(E+P群)を比較するフェーズ2の無作為化試験(ARQ197-209試験)を行い、その最終結果を報告した。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は安全性、全奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、サブグループ解析であった。E+P群の患者は進行(PD)を認めた時点でE+A群へのクロスオーバーを許可した。

 6カ国の33施設から167人の患者が参加した。年齢中央値はE+A群63歳、E+P群62歳で、性別や人種、出身国、喫煙歴は両群で同様だった。化学療法の治療歴は、1回または2回の患者が両群とも約90%を占めた。

 その一方で、E+A群とE+P群の腫瘍の特性には不均衡がみられた。腺癌の割合はE+A群54%、E+P群64%、EGFR変異陽性の割合は7%と13%、KRAS変異陽性の割合は12%と6%であった。

 ITT解析によるPFSの中央値は、E+A群の3.7カ月に対し、E+P群は2.2カ月だった(HR 0.81、95%CI 0.57〜1.15、p=0.24)。予後因子を調整した多変量解析のCox回帰モデルでは有意差が得られた(HR 0.68、95%CI 0.47〜0.98、p<0.05)。

 PFSの延長に伴いOSもE+A群で延長し、中央値はE+P群8.4カ月、E+A群6.8カ月だった(HR 0.88、95%CI 0.60〜1.3、p=0.50)。

 予後因子を調整した非扁平上皮癌のサブグループでは、PFSとOSが有意に延長した。またPFSの改善は、EGFR野生型、KRAS変異陽性、c-MET陽性のサブグループでも良好な傾向が認められた。

 有害事象の発現については両群に顕著な差は認められなかった。

 ORRについては、部分奏効(PR)はE+A群10%、E+P群7%、病状安定(SD)は56%と47%だった。病勢コントロール率(DCR)は、E+A群66%、E+P群54%だった。E+P群からE+A群にクロスオーバーした35人中25人が評価可能で、PR2人、SD9人、PD14人となった。

 ARQ197の国際的なフェーズ3試験は、今年末から開始される予定であるという。