転移性腎細胞癌患者にスニチニブ1日1回37.5mgを連日投与する方法は、アジア人でも非アジア人でも同様に有効であることが明らかとなった。ただしアジア人で多く起こる副作用が複数あり、治療期間は非アジア人の方が長かった。オープンラベルで行われたフェーズ2試験のレトロスペクティブな解析の結果明らかになったもの。成果は10月8日から12日にイタリアミラノで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、ブラジルHospital Sao Lucas da PUCRSのCH Barrios氏によって発表された。

 フェーズ2試験には2006年9月から2009年6月の間に6カ国12カ所で120人の未治療の転移性腎細胞癌患者が登録された。119人(アジア人50人、非アジア人69人)が少なくとも1回以上の投薬を受け、安全性の評価が可能だった。臨床効果はプロトコール違反の1人を除いて118人(アジア人49人、非アジア人69人)で評価された。

 試験の結果、 腫瘍縮小効果は測定病変が評価可能だった116人を対象に行われ、41人の患者で部分奏効(PR)が得られ、奏効率は35.3%(95%信頼区間 26.7-44.8)となった。人種別に見るとアジア人では32.7%(95%信頼区間 19.9−47.5)、非アジア人では37.3%(95%信頼区間 25.8-50.0)でほぼ同等だった。アジア人の49%の患者、非アジア人の36%の患者で安定状態(SD)が得られた。

 全体としての無増悪生存期間(PFS)中央値は9.0カ月(95%信頼区間 5.6-11.1)、増悪までの時間(TTP)中央値は10.0カ月(95%信頼区間 7.2-未到達)だった。人種別に見るとPFS中央値がアジア人では7.2カ月(95%信頼区間 5.4-11.1)、非アジア人では10.8カ月(95%信頼区間 25.8-50.0)、TTP中央値がアジア人では7.4カ月(95%信頼区間 5.5-未到達)、非アジア人では11.1カ月(95%信頼区間 5.6-未到達)となった。

 解析時点で投薬開始後1年生存した割合は、アジア人で65%、非アジア人で70%だった。

 アジア人の投薬期間中央値は20.1週(1.3-53.0)、非アジア人は38.0週(1.0-53.7)だった。治療の早期中止の原因が副作用だったのは、アジア人で22%、非アジア人で1%だった。

 15種類の主な副作用のうち、8種類の副作用がアジア人で有意に多く見られた。手足症候群(アジア人82%、非アジア人14%)、倦怠感(アジア人50%、非アジア人25%)、粘膜炎症(アジア人48%、非アジア人19%)、血小板減少症(アジア人48%、非アジア人17%)、皮膚脱色(アジア人42%、非アジア人9%)、好中球減少症(アジア人38%、非アジア人20%)、便秘(アジア人30%、非アジア人10%)、皮疹(アジア人28%、非アジア人9%)だった。

 グレード3以上の多く見られた副作用11種類のうち、3種類がアジア人で有意に多く、好中球減少症(アジア人26%、非アジア人10%)、手足症候群(アジア人26%、非アジア人4%)、血小板減少症(アジア人24%、非アジア人9%)だった。