びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、放射線療法は、R-CHOP-14療法で部分奏効までの患者では有用である可能性があるが、完全奏効に至った患者では生存を改善しないことが、RICOVER-60-no-RX試験の最終結果で明らかになった。ドイツGerman High Grade Non-Hodgkin's Lymphoma Study Group(DSHNHL)のGerhard Held氏らが、6月14日からオランダ・アムステルダムで開催されている欧州血液学会(EHA 2012)で発表した。

 RICOVER-60試験は、61-80歳のCD20陽性DLBCL患者1222人を対象にした2×2 Factorialデザインの無作為化試験。CHOP-14療法を6サイクル行う群、CHOP-14療法を8サイクル行う群、リツキシマブ併用のR-CHOP-14療法を6サイクル行う群、R-CHOP-14療法を8サイクル行う群に分けた。各群でbulky disease(7.5cm超)や節外病変に対して放射線療法(36Gy)を行った。効果判定はCTスキャンで行われた。この結果、R-CHOP療法を6サイクル行う群で最も良好な全生存期間(OS)が示された(Pfreundschuh et al., Lancet Oncol. 2008)。

 同試験では2005年8月から2007年10月までに、R-CHOP-14療法を6サイクル行う群において、放射線療法を行わない患者が新たに登録された。そこでbulky diseaseに対する放射線療法の意義を検討するため、R-CHOP-14療法を行い、放射線療法を行わなかった患者166人(RICOVER-60-no-RX)と行った患者306人(RICOVER-60)を比較した。

 患者背景を比べると、RICOVER-60-no-RX群のほうが年齢は高く(p=0.018)、ステージが進んでいる人が多い(p=0.037)、節外病変がある人が多い(p=0.024)。一方、RICOVER-60群ではbulky diseaseを有する患者が多かった(p=0.024)。

 観察期間中央値39カ月で、無イベント生存期間(EFS)は有意にRICOVER-60群が優れており(p=0.001)、無増悪生存期間(PFS)はRICOVER-60群で良好な傾向が示された(p=0.06)。OSもRICOVER-60群のほうが優れていた(p=0.08)。

 しかしR-CHOP14療法後に完全奏効(CR /CRu)に達していた患者では、2群間でEFS、PFS、OSに有意な差がなかった(それぞれp=0.439、p=0.430、p=0.839)。

 なお今回の解析では2群間の患者背景が異なること、無作為化試験ではないことから、放射線療法の役割を臨床試験で明らかにする必要があるとした。そこで、18-60歳でaaIPI 1もしくはbulky diseaseを有するIPI 0の患者を対象に、R-CHOP-14療法もしくはR-CHOP-21療法を行い、2群に無作為に分けて、放射線療法を行う群と経過観察群を比較するUNFOLDER試験が進められている。