びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)に対し、14日おきのR-CHOP14療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)は21日おきのR-CHOP21療法に比べ、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)を改善しないことが、イタリアリンパ腫財団(FIL)の多施設レトロスペクティブ研究で明らかになった。イタリアAzienda Ospedaliero Universitaria Careggi のLuigi Rigacci氏らが、6月14日からオランダ・アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA 2012)で発表した。

 DLBCLに対し、R-CHOP21療法は標準治療として使われることが多いが、dose dense法のR-CHOP14療法の有効性も報告されている。そこで、多施設レトロスペクティブ研究として、2つのレジメンのOSとPFSが比較された。

 対象は治癒を目的に治療されたDLBCL患者。2002年1月から2010年12月までにイタリアの7つの血液専門施設で治療された712人。478人はR-CHOP21療法で、234人はR-CHOP14療法で治療されていた。

 2つのコホートの患者背景はほぼ類似していたが、R-CHOP21群の年齢中央値は63.4歳だがR-CHOP14群は53.4歳(p<0.001)、60歳超の患者割合はそれぞれ65.4%、40.5%であった(p<0.001)。骨髄病変のある患者がR-CHOP21群は15.5%だが、R-CHOP14群は21%(p=0.05)、リンパ節侵襲3部位以上はそれぞれ40%、55.1%(p<0.001)であった。G-CSFの使用はR-CHOP14群は全員が、R-CHOP21群は68%だった。

 解析の結果、導入療法後、554人(78%)が完全奏効(CR/CRu)に達した。R-CHOP21群では77%、R-CHOP14群では80%。部分奏効(PR)は全体では19%、R-CHOP21群は20%、R-CHOP14群は17%だった。再発は全体では13%、R-CHOP21群でもR-CHOP14群でも13%だった。

 観察期間中央値38カ月で、PFS率はR-CHOP21群で66%、R-CHOP14群で68%、増悪を有する生存がそれぞれ12%、15%であった。死亡は全体で20%、R-CHOP21群で22%、R-CHOP14群で17%であり、増悪や再発による死亡はそれぞれ19%、14%だった。また治療関連毒性による死亡はそれぞれ8人(1.6%)、4人(1.7%)、敗血症による死亡が1人、1人、二次性発癌は7人(1.4%)、3人(1.2%)だった。

 グレード3以上の血液毒性では、好中球減少がR-CHOP21群で31.7%と多く、R-CHOP14群は17%、貧血はそれぞれ2.5%、10.2%であった。しかし感染症はR-CHOP21群で3.9%、R-CHOP14群は9.4%、神経障害は6.2%、11.1%だった。

 単変量解析で、OSに関し、R-CHOP21群に対するR-CHOP14群のハザード比は0.83(95%信頼区間:0.57-1.21)で有意な改善はなかった。多変量解析でも、R-CHOP14群のハザード比は0.83(95%信頼区間:0.57-1.22)だった。PFSでも治療による有意な違いはなかった。また年齢(60歳以上)、IPI(2以上)、bulky diseaseのサブグループでも、R-CHOP14によるOSの改善は見られなかった。