治療歴がある慢性リンパ球性白血病(CLL)患者に対し、GS-1101(CAL-101)の単剤およびofatumumabとの併用療法は忍容性が良好で、有効であることがフェーズ1/2試験から示された。6月14日から17日にかけてアムステルダムで開催された第17回欧州血液学会(EHA2012)で、米Long Island Jewish Medical CenterのJacqueline Barrientos氏が発表した。

 GS-110は、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼデルタ(PI3Kδ)を選択的に阻害する小分子の経口薬。PI3Kδ経路が活性化すると、CLLで悪性のB細胞が増殖し、生存し、輸送される。

 Barrientos氏らは、フェーズ1/2の用量範囲探索試験において、GS-1101の推奨量、安全性、抗腫瘍効果を評価した。
 
 フェーズ1bでは、GS-1101単剤と、GS-1101とofatumumabの併用療法が検討された。
 
 CLL患者計76人が登録され、GS-1101単剤のデータは55人(年齢中央値63歳、男性82%)から、GS-1101とofatumumabの併用療法のデータは同21人(同66歳、71%)から得られた。巨大なリンパ節腫脹を有する患者の割合は、単剤で82%、併用療法で67%で、再発/難治性のCLLの割合は、単剤で29%と71%、併用療法で76%と24%だった。ほぼ全例がリツキシマブまたはofatumumabによる治療を1回以上受けていた。
 
 GS-1101を単剤で50mgから350mgの用量で検討した結果、開始用量は150mgで1日2回となった。併用療法でも同量で開始し、ofatumumabは計12回(24週間)投与した。ofatumumabは、1週目は300mgを1日目または2日目に投与、1週間後に1000mgを投与し、週1回の投与を計7回繰り返した。さらに4週間後に1000mgを投与し、4週毎に計4回投与した。GS-1101は、ofatumumabの投与終了後も患者が有用性を得られている間は継続した。患者の多くは12サイクルを超えて治療を継続し、2年以上継続可能な患者も含まれた。
 
 安全性について、GS-1101では明らかな骨髄毒性はみられなかった。血液毒性は主に既存の疾患や前治療によるものだった。併用療法の毒性も、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた。グレード3以上の有害事象で頻度が高かったのは、単剤では肺炎/肺臓炎(24%)や好中球減少(18%)、併用療法では好中球減少(19%)、ALT/AST上昇(14%)などだった。ALT/AST上昇を認めた患者の多くは、GS-1101を中断後、トランスアミナーゼの異常を認めることなく再投与が可能だった。

 効果として、リンパ節の縮小は、単剤で100%、併用療法で95%に認められた。患者の多くでリンパ節が50%以上縮小していた。リンパ節の大きさの変化は2段階でみられ、最初に急激に縮小し、その後持続的な縮小が続いた。このような効果は、単剤でも併用療法でも同様に認められた。

 リンパ球絶対数(ALC)をみると、GS-1101の投与によりリンパ節から末梢へのリンパ球の再分布が誘発され、多くの患者でALCが増加した。これに対し、併用療法ではALC増加のパターンが異なり、最初に軽度の増加がみられ、増加の持続期間は短かった。
 
 リンパ節において、二方向積和(SPD)で50%以上の減少を寛解とすると、寛解率は単剤で84%、併用療法で85%と同等だった。ただし全体の寛解率には差がみられ、単剤で24%、併用療法で80%となり、さらに併用療法を6サイクル以上継続した患者では94%となった。
 
 無増悪生存期間(PFS)中央値は、単剤で12カ月を超え、併用療法では未到達だった。
 
 薬理学的な効果として、単剤、併用療法のいずれにおいても、CXCL13、CCL3、CCL4などのCLLに関連するケモカインが有意に減少することが示された。

 Barrientos氏は「GS-1101とofatumumabは相補的に作用すると考えられる。GS-1101はリンパ節からCLL細胞を動員してリンパ節腫脹を改善し、ofatumumabはGS-1101が介在する増加したリンパ球の再分布を減少させる」と話した。
 
 今回の結果から、再発・難治性のCLL患者の治療として、GS-1101とofatumumabの併用療法の有効性と安全性を評価するフェーズ3試験が計画されており、2012年の第3四半期に開始される予定である。