化学療法抵抗性ALK陽性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)に、ALK阻害剤であるクリゾチニブが長期間有効である可能性が明らかとなった。小規模の臨床研究で示されたもの。6月14日から17日にオランダアムステルダムで開催された欧州血液学会で、イタリアUniversity of Milano Bicocca and S.GerardoのC Gambacorti氏によって発表された。

 多くのALCL患者ではALK遺伝子がいくつかのパートナー遺伝子(主にNMP)と融合している。この疾患の特徴はALKチロシンリン酸化酵素が脱制御状態になり、アポトーシスや細胞増殖、分化に関わる蛋白質をリン酸化する。ALK陽性ALCLは細胞毒性型抗癌剤が有効だが、再発すると予後が悪いという。

 研究グループは9人(男性4人)の細胞毒性型抗癌剤抵抗性ALK陽性ALCL患者(年齢中央値は31歳、20歳から56歳)に、倫理的供給によって、クリゾチニブ250?の1日2回投与を行った。前治療歴数中央値は3(3-5)だった。形態学的診断によって、ALCLが7人、びまん性大細胞リンパ腫が2人だった。3人は自家骨髄移植、1人は同種骨髄移植を受けていた。全患者がB症状(発熱、骨痛)とともに節および節外に複数の病変を有していた。抗腫瘍性の薬剤やステロイドの使用はクリゾチニブ投与期間中は認めなかった。ALK陽性であることはFISH法で確認された。

 観察期間中央値は8カ月(1-24)で、3人が治療を継続、5人が増悪により中止、1人は患者希望で中止となった。

 投与の結果、全員で速やかにB症状が消失した。LDHレベルも正常化した。骨髄穿刺液でFISHによりALK陽性だった4人の患者は2カ月以内に陰性となった。CT/PETによる解析で、8人の患者でクリゾチニブ奏効が確認、完全寛解(CR)が6人、部分寛解(PR)が2人で、寛解率は89%(95%信頼区間:60-99)。6カ月を超えて効果が確認された患者は44%(95%信頼区間:19-73)だった。全生存率は20カ月以上で40%を超えていた。

 1人の患者はクリゾチニブによりCRが得られた後、同種骨髄移植を受け移植後76日目で再発したが、クリゾチニブを再開することで14日で再びCRとなった。

 副作用は軽度でグレード1-2の目の異常が全員、末梢浮腫が1人、グレード3の好中球減少症が1人、グレード2のLFT上昇が1人だった。