初発多発性骨髄腫に対し、導入療法としてPAd療法(ボルテゾミブ、ドキソルビシン、デキサメタゾン)とVCD療法(ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾン)はどちらも効果があり、忍容性にも優れ、9割の患者で3サイクルの治療が完遂できたことが、GMMG (German-Speaking Myeloma Multicenter Group)の無作為化フェーズ3試験MM5の第1回中間解析で明らかになった。ドイツUniversity Hospital HeidelbergのHartmut Goldschmidt氏らが、6月14日からオランダ・アムステルダムで開催されている欧州血液学会(EHA 2012)で発表した。

 MM5試験は18-70歳の初発症候性多発性骨髄腫患者を対象に、2つの目的で行われた。1つは導入療法として、奏効性に関し、VCD療法のPAd療法に対する非劣性を示すこと。2つめは無増悪生存期間 (PFS)に関して、導入療法としてのPAd療法もしくはVCD療法、高用量メルファラン+ASCT、レナリドミドの地固め療法、そしてレナリドミドのメンテナンス療法2年間もしくはCRまでのレナリドミド投与を比較し、計4つの治療法のうち最良の治療を決定することである。

 導入療法では、PAd療法あるいはVCD療法を3サイクル行った。PAd療法では28日おきに、ボルテゾミブ1.3 mg/m2をday 1、4、8、11に、ドキソルビシン9 mg/m2をday 1-4、デキサメタゾン20 mgをday 1-4、9-12、17-20に投与した。VCD療法では21日おきに、ボルテゾミブ1.3 mg/m2をday 1、4、8、11に、シクロホスファミド900 mg/m2をday 1、デキサメタゾン40 mgをday 1-2、4-5、8-9、11-12に投与した。

 今回の中間解析は登録最初の150人で行われた。奏効率はIMWG規準で評価した。主要評価項目は、導入療法後のVGPR(最良部分奏効)以上の患者割合とした。PAd群とVCD群で患者背景はほぼ同じだったが、17p13欠失はPAd群で17.1%だが、VCD群では6.1%であった。

 この結果、PAd 群では75人中71人(94.7%)が、VCD群は75人中74人(98.7%)が導入療法を完遂した。奏効率はほぼ同じで、完全奏効がPAd群は8%、VCD群は9.3%、VGPR以上はそれぞれ40%、34.7%であり、PR以上は両群とも78.7%となった。

 有害事象の発生頻度は2群ともほぼ同じで、PAd群は66.2%、VCD群は69.3%(p=0.73)。しかし重篤な有害事象 (SAE)はPAd群で32.4%、それに対しVCD群は22.7%だった(p=0.2)。グレード3/4の白血球減少と好中球減少はVCD 群は40%と多く、PAd群は9.5%(p<0.0001)。グレード2以上の感染症はPAd 群が31.1%、VCD 群は13.3%だった(p=0.01)。

 以上の結果から、「MM5試験において、どちらの導入療法も効果を示し、PAd療法に対するVCD療法の非劣性は示されていない」とした。また「PAd療法もVCD療法も忍容性に優れ、90%以上の患者で3サイクルの導入療法が行えた」とまとめた。