移植不適応の初発多発性骨髄腫に対し、MPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)による導入療法は、減量や支持療法で管理可能であり、65-75歳の患者の6割がメインテナンス療法に移行できたことが、フェーズ3試験MM-015の安全性解析で示された。またレナリドミドのメインテナンス療法は、65-75歳の患者では忍容性があり、長期継続が可能であることも示唆された。ベルギーKatholieke Universiteit LeuvenのMichel Delforge氏らが、6月14日からオランダ・アムステルダムで開催されている欧州血液学会(EHA 2012)で発表した。

 MM-015試験では、65歳以上の初発多発性骨髄腫患者459人を対象に、MPR療法による導入療法とレナリドミドによるメインテナンス療法を行うMPR-R群(152人)と、MPR療法のみのMPR群(153人)、メルファランとプレドニゾンのみを投与するMP群(154人)が比較された。

 試験では有害事象の管理として、グレード4の血液毒性やグレード3以上の非血液毒性が発現した場合、治療を中断し、次のサイクルから減量して治療が行われた。グレード4の好中球減少や貧血に対しては、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)や赤血球生成刺激剤(ESA製剤)を使用可能とした。血小板輸血や赤血球輸血は医師の判断で行われた。全ての患者で低用量のアスピリン、またはアスピリンが禁忌の場合は他の血栓予防薬が使用された。

 フォローアップ期間中央値は44カ月。レナリドミド治療群ではMP群に比べてグレード3/4の有害事象は多かった。しかし血栓予防薬を投与したため、グレード3/4の深部静脈血栓症 (DVT) は、導入療法においてレナリドミド治療群で3%、MP群で1%と少なかった。

 導入療法において、G-CSFの使用は、MPR療法の群で多く、MPR-R群で65-75歳は65.8%、75歳超で69.4%、MPR群で65-75歳は55.2%、75歳超で63.9%だが、MP群では65-75歳で31%、75歳超で27%だった。赤血球輸血もMPR-R群で65-75歳は28.9%、75歳超で38.9%、MPR群で65-75歳は21.6%、75歳超で41.7%だが、MP群では65-75歳で17.2%、75歳超で13.5%だった。血小板輸血は2.8-5.6%といずれの群でも少なかった。なお各群で支持療法の使用は年齢群による違いはなかった。

 また導入療法で減量が、MPR-R群で65-75歳は36.8%、75歳超で44.4%、MPR群で65-75歳は41.4%、75歳超で61.1%、MP群では65-75歳で18.1%、75歳超では16.2%で行われた。有害事象による導入療法の中止は、MPR-R療法の群で65-75歳では13%、75歳超では18%であった。

 メインテナンス療法はMPR-R群88人、MPR群94人、MP群102人に行われ、65-75歳では6割以上の患者がメインテナンス療法に移行したが、75歳超では3割程度であった。

 レナリドミドのメインテナンス療法では、グレード3/4有害事象の新たな発生や悪化は少なかった。 グレード4の好中球減少は2%、血小板減少は6%で、グレード 3/4 の発熱性好中球減少や出血はなかった。DVTはMPR-R群で2%、MPR群で1%であった。

 G-CSFの使用はMPR-R群で多く、特に75歳超で多く使用された。MPR-R群で65-75歳は28.9%、75歳超で58.3%だが、MPR群で65-75歳は6.3%、75歳超で21.4%、MP群では65-75歳で2.7%、75歳超で11.1%だった。赤血球輸血はMPR-R群の75歳超患者で5人(41.7%)に行われ、他の群では少なかった。

 有害事象によりレナリドミド治療を中止したのはMPR-R群で多く、65-75歳は14.5%、75歳超で16.7%だが、血液毒性による中止は少なかった。また増悪による中止がMPR-R群では53.4%だが、MPR群で80.9%、MP群では88.2%と多かった。二次性発癌がMPR-R 群で12人(2.9%)、MPR群で10 人(2.42%)、MP群で4人(0.93%)であった。