移植不適応の初発多発性骨髄腫に対し、MPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)による導入療法とレナリドミドのメインテナンス療法によって、65-75歳の患者ではレナリドミドを使わなかった治療群に比べて、無増悪生存期間(PFS)は有意に改善し、全生存期間(OS)も改善する傾向が、フェーズ3試験MM-015の追跡期間中央値44カ月のデータで確認された。イタリアTorino大学のAntonio Palumbo氏らが、6月14日からオランダ・アムステルダムで開催されている欧州血液学会(EHA 2012)で発表した。

 MM-015試験は、65歳以上の初発多発性骨髄腫患者459人を対象に、以下の3群に分けた。まず導入療法としてMPR療法を投与し、その後、レナリドミドによるメインテナンス療法を行う群(MPR-R)、次に導入療法としてMPR療法を行った後、メインテナンス療法としてプラセボを投与した群(MPR)、そして導入療法にメルファランとプレドニゾンのみを投与し、メインテナンス療法にはプラセボを投与した群(MP)とした。

 今回の発表では、奏効率とPFSは追跡期間中央値27カ月時点の評価が、OSと安全性は追跡期間中央値44カ月時点のデータが報告された。65-75歳の患者は、MPR-R群、MPR群、MP群いずれも116人で、国際病期分類システム(ISS) IIIの患者がそれぞれ45%、45%、47%であった。

 65-75歳の患者において、奏効率はMPR-R群では79%、MPR群が72%、MP群は47%であり、VGPR以上がそれぞれ35%、35%、11%であった。PFS中央値はMPR-R群で31カ月、MPR群は15カ月、MP群は12カ月で、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.31(p<0.001)、MPR群は0.62(p=0.006)だった。

 OSは、4年生存率がMPR-R群で70%、MPR群は60%、MP群は57%で、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.71(p=0.13)と良好な傾向を示し、MPR群は0.94(p=0.77)であった。

 メインテナンス療法を行った患者は、MPR-R群が76人、MPR群が80人、MP群が75人。メインテナンス療法開始を起点としたランドマーク解析では、MPR-R群のPFSはMPR群に比べて有意に優れていた(ハザード比は0.35、p<0.001)。また腎機能障害(CrCL 60mL/min以上、60mL/min未満)、ISS(I/II、III)、治療効果(VGPR以上、PR)のサブグループのいずれでもMPR-R群のPFSはMPR群に比べて有意に良好であった。

 有害事象に関しては、導入療法において、血液毒性はMP群よりもMPR群で多く、最も多いグレード4の血液毒性は好中球減少であった。メインテナンス療法では、グレード4の血液毒性の新たな発生や悪化は少なかった。またグレード3/4の末梢神経障害はどの群でも認められなかった。

 有害事象による導入療法の中止は、MPR-R群で12%、MP群で4%、メインテナンス療法の中止はレナリドミド治療では4%、プラセボ投与では3%であった。また二次性発癌は、MPR-R群で9人(2.70%)、MPR群で7人(2.05%)、MP群で4人(1.20%)であり、血液癌はそれぞれ5人、5人、1人、固形癌は4人、3人、3人であった。

 これらの結果から、「65-75歳の初発多発性骨髄腫患者において、MPR-R療法は標準治療と考えられる」とし、「MPR-Rによるベネフィットは増悪リスクや二次性発癌を含む有害事象より勝るだろう」とした。