ダサチニブ100mgの1日1回投与は、最小血中濃度(Cmin)を適切に管理すれば、新規に診断された慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者に対するファーストライン治療として有効で安全であることが、フェーズ2臨床試験の中間解析の結果、明らかになった。フランスUniversite de VersaillesのP. Rousselot氏が、6月10日から13日までスペイン・バロセロナで開催された欧州血液学会で発表した。

 ダサチニブは現在、イマチニブに抵抗性または不耐容の慢性期CMLに対するセカンドライン治療として位置づけられているが、今回の成績でファーストラインとしても使える可能性が示唆された。

 このフェーズ2試験は、慢性期CMLに対するダサチニブのファーストライン治療としての有効性と安全性を検討することが目的。対象は、新規に診断された18歳以上の慢性期CML患者で、過去にチロシンキナーゼ阻害剤を投与されていない人とした。

 ダサチニブの開始用量は100mgの1日1回投与とした。ただし、ダサチニブの主な副作用である胸水貯留の発生率はダサチニブのCminと相関することが知られており、Cminが5nM未満であれば低率に抑えられることから、治療開始7〜10日後と以後3カ月毎にダサチニブの血中濃度を測定し、Cminが5nMを上回る場合には用量を減らしてCminが5nM未満となるようにした。

 今回の中間解析は、2010年5月末時点で登録された78人に関するもので、観察期間の中央値は7.2カ月(0.5〜13カ月の範囲)だった。平均年齢は47歳、男性が65%で、Sokalリスクスコアはlowが51.9%、intermediateが30.7%、highが17.4%となっている。なお、試験では最終的に130人を組み入れる予定だ。

 治療開始から1週間後のCminの中央値は2.1nMだった。対象を47歳未満と47歳以上に分けた場合、47歳未満のCminの中央値は1.6nMだったのに対し、47歳以上では2.8nMであり、47歳以上で有意に高値だった(p=0.0028)。一方、最高血中濃度には年齢差は見られなかった。

 治療中にダサチニブの投与を一時中断した患者は14人で、そのうち9人は0.5〜4カ月後に100mgの1日1回投与を再開し、4人は0.25〜1カ月後に60〜80mgに減量して1日1回投与を再開した。治療を中止した患者は4人で、うち2人は副作用、2人は治療不成功が原因だった。

 6カ月時点での細胞遺伝学的寛解(CCyR)率は、対象者35人において90.9%と高率で、Sokalリスクスコアがlowまたはintermediateの患者で特に高かった。

 また、BCR-ABL/ABLが0.1%未満となった分子遺伝学的寛解(MMR)率は、3カ月で15.1%、6カ月で69.4%だった。BCR-ABL/ABLが0.01%未満となったOptimal Molecular Response(OMR)率は、3カ月で7.5%、6カ月で19.4%だった。

 副作用は、グレード1とグレード3の体液貯留が各1人、グレード2の胸水貯留が1人(この患者はCminが5.3nMだった)、グレード3/4の好中球減少が4人、グレード3/4の血小板減少が3人、グレード3の無力症が2.5%に見られたが、全体に低率だった。また、MMRが達成された患者ではリンパ球増加症の頻度が高い傾向が見られた。

 Rousselot氏は、ダサチニブ100mgの1日1回投与は慢性期CML患者に対するファーストライン治療として有効で安全と考えられるが、ダサチニブの血中濃度と有効性や安全性の関係については、対象者を増やしてさらに長期の観察を行う必要があると述べた。