新規に診断された高齢者の多発性骨髄腫(MM)に対してレナリドミド、メルファラン、プレドニゾンの3剤併用療法が安全で有効であり、さらにその後のレナリドミド維持療法が増悪リスクを低下させることが示された。欧州、オーストラリア、イスラエルの92施設459人を対象に、3剤併用療法とメルファラン、プレドニゾンの2剤併用の効果を比較する無作為化二重盲検フェーズ3試験の2回目の中間解析で明らかになった。結果は、イタリアUniversity of TorinoのAntonio Palumbo氏が、6月10日から13日までスペイン・バロセロナで開催された欧州血液学会で発表した。

 このフェーズ3試験は、65歳以上の症状のあるMM患者のうち移植が適さない患者を3群に分けて実施。1つ目の群(MPR-R群、152人)には、導入療法として、1サイクル28日の1日目から4日目までメルファラン0.18mg/kgとプレドニゾン2mg/kgを連日投与し、レナリドミドは1日目から21日目まで毎日10mg/kgを投与した。9サイクルの終了後に、維持療法として1サイクル28日の1日目から21日目まで毎日レナリドミド25mgを投与した。2つ目の群(MPR群、153人)では、導入療法はMPR-R群と全く同じで、維持療法にプラセボを用いた。3つ目の群(MP群、154人)では、導入療法にメルファランとプレドニゾンのみを用い、維持療法にはプラセボを用いた。

 50%のイベントが発生した時点(観察期間中央値9.4カ月)での1回目の中間解析の結果は、2009年のサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABC 2009)で発表されている。今回発表されたのは、75%のイベントが発生した時点での2回目の中間解析の結果で、観察期間中央値は21カ月となっている。

 その結果、まずMPR-R群とMP群の比較では、Best ResponseでみたMPR-R群の全体の寛解率(ORR)は77%で、完全寛解(CR)が16%、大変良い部分寛解(VGPR)以上が32%、部分寛解(PR)が45%だった。一方、MP群のORRは50%で、CRが4%、VGPR以上が12%、PRが38%だった。ORR、CR、VGPR以上ともに、MPR-R群の方が有意に高かった(p<0.001)。MPR群のORRは68%で、CRが11%、VGPR以上が33%、PRが38%だった。

 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、MPR-R群が未達、MP群が13.0カ月で、ハザード比0.423(p<0.001)と有意にMPR-R群の方が優れていた。2年時点の無増悪生存率は、MPR-R群が55%、MP群が16%だった。

 次に、MPR-R群とMPR群の比較では、MPR群のPFSは14.1カ月で、ハザード比0.530とMPR-R群(p<0.001)の方が有意に優れていた。MPR群の2年無増悪生存率は24%だった。

 MPR群とMP群のPFSの比較では、全例を対象にした場合のハザード比は0.850(p=0.307)で有意差がなかったが、65〜75歳の患者に限定するとハザード比は0.675(p=0.031)でMPR群が有意に増悪リスクを低下させることが示された。全生存期間については、いずれの群の間にも差がなかった。

 副作用は、MPR-R群とMP群を比較すると、グレード3/4の貧血、血小板減少症、好中球減少症は、MPR-R群の方が明らかに多かった。発熱性好中球減少症は、MPR-R群でのみ見られた。G-CSFの投与を受けたのはMPR-R群が66%、MP群は31%だった。血小板輸血は、MPR-R群が35%、MP群が18%だった。副作用による中断は、MPR-R群で20%、MP群で8%に見られた。

 さらに、今回の中間解析では、最初の9サイクルの終了時を開始時点として、MPR-R群とMPR群を比較したランドマーク解析の結果も報告された。これはレナリドミド3剤併用療法後のレナリドミド維持療法の効果を見ていることになる。

 その結果、MPR-R群とMPR群のPFSのハザード比は0.314(p<0.001)であり、レナリドミド維持療法が増悪リスクを69%低下させることが示された。75歳以上の患者に限定した場合のハザード比は0.394(p=0.120)であり、有意ではないがMPR-R群が優れる傾向が認められた。また、この期間にグレード3/4の副作用で発生率が5%を超えたものは、両群とも見られなかった。

 Palumbo氏は、今回の中間解析の結論として、(1)MPR-Rは移植が適さない高齢MM患者の標準的治療と考えられる、(2)MPRも65〜75歳の患者では一定の効果が認められる、(3)レナリドミド維持療法は高齢MM患者のリスクを大きく低下させる――の3点を挙げた。